はじめにオーバーレイにおける支台歯形成の3パターンthe Quintessence. Vol.43 No.8/2024—1748大谷恭史連載目次(予定) 第1回(2月号) オーバーレイ概論 第2回(4月号) オーバーレイの適応症例 第3回(6月号) オーバーレイの心臓部“接着” ▶第4回(8月号) オーバーレイの形成・印象 第5回(10月号) オーバーレイの装着・仕上げ Protect Teeth with OverlaysPart4. Tooth Preparation and Impression170大阪府開業 DENTAL OFFICE OTANI連絡先:〒530‐0012 大阪府大阪市北区芝田2‐2‐1‐3FTakafumi Otaniキーワード: 支台歯形成,オクルーザルベニアタイプ, プロキシマルボックスタイプ,ベニアレイタイプ 前回(6月号)においては,オーバーレイを成功に導くもっとも重要な要素の1つである「接着」について解説した.今回は,オーバーレイの支台歯形成について解説したい. 本連載でこれまでに解説してきたように,オーバーレイの維持は接着に頼る部分が大きく,支台歯に全部被覆冠のような維持形態を与えるような考え方はとくに必要ないと筆者は考える.これまで多くの文献や書籍などを参考に支台歯形態について考察してきたが,全部被覆冠の支台歯形態のようにこれといった1つの決まった形態は存在しないと理解している.言い換えると,基本的ないつくかのルールを守れば,それ以外に関しては比較的自由度が高く,個々の症例ごとに臨機応変に対応しなければならない. 筆者がこれまでに行ってきたオーバーレイ修復の経験やこれまでの多くの文献報告から,オーバーレイ形成には大きく分けて表1に挙げる3つのパターンの支台歯形態があると考えており,まずはそれぞれについて解説していきたい.なお,第1回で解説したように,用語の定義は国際的にもまだ決まっておらず,本稿における分類・名称は筆者による呼称であることを付記しておく.パターン1 オクルーザルベニアタイプ 大きな1級窩洞や,咬合面に限局したアクセスキャビティで根管治療を行った歯などに対して,咬合面のみにオーバーレイ修復を行うタイプ. オクルーザルベニアタイプでは,基本的には咬合面形成のみを行うが,辺縁隆線部に健全歯質が残存形成・印象隔月連載オーバーレイで歯を守ろう第4回オーバーレイの
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