ザ・クインテッセンス 2024年9月号
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BCA東京都開業 あおいデンタルクリニック連絡先:〒106‐0045 東京都港区麻布十番1‐7‐1‐2FRyota Aoiキーワード:エンドペリオ合併症,自家歯牙移植,一口腔単位図1 エンドペリオ合併症の診断を行う際,もっとも引用されるSimonの分類を参考にして病因を診断する.A:Ⅰ型a;Primary endodontic lesion(根管由来の病変),Ⅰ型b;Primary endodontic lesion with secondary periodontal involvement(二次的な歯周病変をともなう歯内原発病変).B:Ⅱ型a;Primary periodontal lesion(歯周病由来の病変),Ⅱ型b;Primary endodontic lesion with secondary endodontic involvement(二次的な歯内病変をともなう歯周原発病変).C:Ⅲ型;True combined lesion(混合型).The Proactive Approach to Combined Periodontic-Endodontic Lesions52 エンドペリオ合併症(endo-perio lesion,図1)は動揺や排膿が認められると初期段階で抜歯と診断してしまうことが多々あると思われる.歯内療法の講習会や講演会などで図2f,hの写真を見てもらい,どのような治療を行うかのアンケートを取ると,抜歯をしてインプラント治療を行うという回答が非常に多い. 本稿で提示する症例をアンケートに用いて10年ほど経過するが,CTやマイクロスコープが導入された現在でもこのアンケート結果はほとんど変わらない.この結果は,限られた情報や資料のなかでのアンケート結果ではあるが,診察,検査,診断が確実に行われていないのではないかと疑問が残る. 本症例は,「別冊the Quintessence YEARBOOK 2013 日常臨床で必ず使える! 歯内療法克服の一手」のなかで,他院にて抜歯してインプラントと言われた症例であり,筆者が治療を行い,11年が経過した症例である. 筆者は本症例をエンドペリオ合併症と診断し,歯the Quintessence. Vol.43 No.9/2024—1876初掲載本「別冊ザ・クインテッセンスYEAR BOOK 2013 日常臨床で必ず使える! 歯内療法克服の一手」青井良太Reflect on My Previous Clinical Case特 集 2Simonの分類はじめにシン・症例PLAYBACK症例の術後経過から学ぶエンドペリオ合併症に対する積極的アプローチ

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