新聞クイント2007年11月(お試し版)
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政 治文化・連載連 載連 載経 営Books&JournalsNew Frontierー歯科臨床が、変わる・動く・広がるーPR企画行 政・社 会()平成19年11月10日(土)月刊 毎月1回10日発行 第143号今月のニュース遊ゆうき亀 裕ひろかず一歯科技工士、山手デンタルアート代表生体情報を活かした臨床技工を実践する歯科技工士 9月14日(金)から16日(日)にかけ、熊本市民会館・熊本市国際交流会館・熊本市産業文化会館(熊本県)にて、第37回社団法人日本口腔インプラント学会・学術大会(添島義和大会長)が、国内外より約3,400名以上の参加者を集め盛大に開催された。 本会は「専門性あるインプラント治療~インプラントのスタンダードレベルを高めるためのチャレンジ~」と題するメインテーマのもと、特別講演3題、シンポジウム4題、ミニシンポジウム4題、一般口演(口頭発表)188題、一般口演(ポスター発表)130題が行われたほか、専門医教育講座、公開講座、教育講演、歯科技工士セッション、歯科衛生士セッション、市民フォーラム、各企業によるランチョンセミナー、テーブルクリニックがあわせて開催されるなど、非常に大規模かつ充実した内容となった。 15日の特別講演では、Peter Wöhrle氏(アメリカ開業)が「インプラントの設計と審美性予測̶長期臨床結果」と題した講演を行った。また、シンポジウムⅡ「国際セッション」では海外演者4名が登壇し、示唆に富んだ講演を行った。 16日の特別講演ⅡではHenry Salama氏(アメリカ開業)が「デザインによる成功:前歯部の審美的インプラント治療における効果的な臨床決定」をテーマに、特別講演ⅢではUrs Belser氏(ジュネーブ大学歯学部長)が「インプラントの審美:我々は今どこにいるか?」をテーマにそれぞれ講演を行い、満席の会場を沸かせた。 また、日本口腔インプラント学会認定医・専門医取得に向けた手順、論文の書き方などが解説された教育講演では、会場があふれるほどの聴講者が集まり、活発な質疑応答が行われるなど、参加者の関心の高さがうかがえた。 10月6日(土)、京成ホテルミラマーレ(千葉県)にて平成19年度13都道府県歯科医師会役員連絡協議会(当番県:千葉県歯科医師会、岸田 隆会長)が「国民の視点に立った歯科医療の構築-医療費適正化政策下の歯科医療を考える-」というテーマのもと開催された。 冒頭の挨拶で岸田会長は、「今後どのように医療政策が行われるべきか、ということに国民が大きく関わってくるだろう。私たち歯科医師だけで医療を論ずる時代は終わる。私たちの医療を国民に評価してもらうためには、国民に科学的根拠を示し、きちんと説明し理解してもらう必要がある」と述べた。また、来賓として大久保満男氏 (日本歯科医師会会長)が登壇。国の医療財源への確保の問題と歯科医療との関わりなどについて語った。 その後、武見敬三氏(東海大学教授、前参議院議員)が「医療保険制度改革と医療財源」というテーマで特別講演を行い、続いて前田 泉氏(スナッジ・ラボ株式会社代表取締役社長)が「患者満足度の科学~患者満足度による歯科医療の再成長シナリオ~」と題した基調講演を行った。 最後に武見氏、前田氏、宮村一弘氏(愛知県歯科医師会会長)、山科 透氏(広島県歯科医師会会長)、富野 晃氏(北海道歯科医師会会長)、田中秀夫氏(東京都歯科医師会会長)の5名と、座長の岸田会長によるフォーラムが行われた。自己負担の増加、診療報酬のマイナス改定、後期高齢者医療制度、医療法改正等により、国民の意思とは違う方向に進みつつある国民皆保険制度に対し、真に国民が満足する医療を提供するため、今後どのように提言し実現させていくのか、などが協議された。 なお、次回の当番県は埼玉県に決定した。神奈川県在住の歯科技工士・遊亀裕一氏。ここ数年来、さまざまな講演会や出版物をとおし、「歯科技工における生体情報」の重要性とその活用法を歯科技工士・歯科医師に伝えてきた。歯科治療のゴールが口腔機能の回復はもとより、高い審美性の確立や治療結果の長期的維持へと拡大した今、患者さんの歯肉や骨の状態などの生体情報をより多く入手し補綴物に反映させることで、歯科技工士も歯科医師や患者さんの要望に、より一層応えていくことができるというのがその趣旨である。それが今、歯科医師の間で静かな反響を呼び起こし始めている。遊亀:「生体情報」というと非常に難しいイメージを持たれるかもしれませんが、一般の歯科医院で治療時に通常使用するレントゲン写真やパントモ写真、口腔内の各種写真では軟組織を示す写真などが該当します。 歯科技工士は患者さんの口腔内を触ることができないため、通常は歯科医院から送られる石膏模型や歯科技工指示書をもとに歯科技工物を製作しています。しかし、じつは先に述べた生体情報の有無が歯科技工物の製作に大きく影響してくるのです。たとえば、私のラボでは歯科医師の指示のもとに用いるレントゲンと軟組織の写真からは、骨頂からコンタクトポイント下縁までの距離を計測し、下部鼓形空隙の形を作る上での参考にしています。さらに、レントゲン写真に写っている歯根のテーパーが強ければ歯冠は丸みのある形であることが多く、そのような情報プロフィール1977年、日本大学歯学部附属歯科技工専門学校卒業。1988年、㈲山手デンタルアート開業。現在、横浜市歯科技工士会(学術担当常務理事)のほか、明倫短期大学臨床教授としても活躍し、生体情報を活かした臨床技工を実践している。日本歯科審美学会会員(認定士)、日本歯科色彩学会評議員、日本顎咬合学会会員。「歯科技工における生体情報の重要性を伝えたい」も形態修正時に役立てています。石膏模型だけでは想像できない歯根の形が、じつは歯冠の形を作ることにも利用できるわけです。レントゲン写真1 枚の情報だけでも骨を意識した歯科技工へとつながることは重要です。また、石膏模型からは正確な歯肉の性状などは把握できないため、歯肉の状態に合わせた歯頸部周辺の形態付与も同様です。 そして、このような生体情報のやりとりに重要なのが、デジタル画像です。近年のデジタルカメラの飛躍的普及により、デジタルデータの持つ優位性やデータ送信の簡便さなど、歯科医院から送られてくる患者さんの口腔内写真やレントゲン写真、歯周チャート表までもデジタル化へと移行しつつあります。そのメリットを活用すれば、生体情報をスピーディーに、手間をかけずに入手できる時代になったといえます。 とはいえ、生体情報を適切に観察できる環境あるいは設備が双方向で整備されることが大切です。とくに歯と歯肉の色に関しては、デジタルカメラの撮影法と観察法により表示色が大きく変化します。歯科医院での撮影環境や相互の画像観察環境の整備不一致により、歯科技工物の精度が低ければ、せっかく製作した歯科技工物も作り直すことになります。ですから、これらを整備することで歯科技工士にとって入手できる生体情報の精度が上がり、歯科技工物に反映できれば、歯科技工士の経験や勘に左右されず患者さんに満足していただけるのではと考えています。顔今月の㈳日本口腔インプラント学会第37回学術大会を開催国内外より過去最多となる参加者が参集平成19年度13都道府県歯科医師会役員連絡協議会開催前参議院議員、武見氏が特別講演開会の挨拶を行う添島義和大会長。フォーラムの模様。

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