新聞クイント2009年5月(お試し版)
1/3

第161号 2009年5月10日(日)1Contents〈発行所〉〒113-0033 東京都文京区本郷3丁目2番6号 クイントハウスビルTEL : 03-5842-2270(大代表)新聞クイント編集部 TEL : 03-5842-2280 FAX : 03-5800-7597 E-mail : news-q@quint-j.co.jp〈購読料〉1部210円(税込) ※新聞クイントの速配のご希望を承ります。 年間購読料:2,520円(税込・送料別)QUINT新聞新聞記者団の質問に答える近藤副会長。Dental ShowDental ShowNew FrontierNew Frontier67 患者さん本位の歯科医療の実現へ「ツインパワータービン」 鈴木宏宗(京都府開業) 提供:株式会社モリタ89 2009九州デンタルショー開催!!【会期】2009年6月20日(土)、21日(日) 【会場】マリンメッセ福岡日歯、日本経済新聞社説に対する会見を開催医療者の立場主張するも、記者団とは平行線20095CONTENTS毎月1回10日発行第161号平成21年5月10日歯科のコミュニケーションサイトいますぐユーザー登録をしてさまざまなサービスをぜひご利用ください!http://www.quint-j.co.jp/2 顔経済界大賞「敢闘賞」を受賞した中尾 眞23 News今月の歯科界ニュース4 Series迫りくる歯科技工士獲得競争の波4 Topicsいま、歯科医院は「本当の苦情対応」を学ぶとき10Series学会UP TO DATE11Series患者さん向け 待合室で読める1分間コラム12Booksクイント今月の新刊雑誌・書籍の読みどころ 歯科医師・医師国試の結果が発表された。歯科医師過剰や医師不足が喧伝されるなか一概には医歯を比べられないが、一般的には歯学生の学力低下への対応、教育のさらなる強化といった課題が浮かび上がる。しかし、本質的な問題は歯科の閉塞感にあると考える。 私は東北大学を卒業後、同大学で教鞭を執っている。今回わが大学は国立大学のなかで最低の合格率となった。研究上、工学部をはじめ他学部の4年次、修士学生と接する機会も多いが、彼らは相応の学力、意識を有している。一方、歯学生は入学時の成績は一般レベルにあるにもかかわらず、国試合格に窮している。 新医療技術や工業技術の開発などが逐次伝達される情報社会において、歯科界の将来の悲観的展望、国試による歯科医師数の調整等も同レベルで歯学生に伝わる。また国試合格を目標とする現在の歯学教育と内容はあまりにも歯科に閉じており、今後の歯科医療、歯科医学を担う人材輩出も難しい。すなわちマイナスのスパイラルである。 この打破には、歯科医療、口腔保健の健康寿命への貢献、インプラントや再建、歯の再生などの新医療技術、新医療材料開発など、歯科からの発信を広く国民に認知させる努力を、歯科界あげて行う必要がある。同時に、これらに関する学生への情報提供をより積極的に行うべきである。まずは歯学生としての誇りを涵養すること。今の学生もやる気になれば十分に個々の能力を発揮する。 (佐々木啓一) 3月13日(金)、歯科医師会館にて日本歯科医師会(以下、日歯、大久保満男会長)による緊急会見が開催された。本会見は、既報の朝日新聞社の記事に続き、3月9日付の『日本経済新聞』の社説「レセプト完全電子化を後退させるな」の記事に対するもの。記事は国民に事実を誤認させる内容として、同日付で日歯の見解と抗議の文書を日本経済新聞社論説委員長宛てに送付することが報告された。会場には、歯科業界記者のほか、一般紙の記者も多数参加した。 席上、近藤勝洪副会長は今回の報道に対して、三師会の共同声明の主旨をもとに、「レセプト電算化には反対していない。オンライン請求の完全義務化は地域医療を崩壊させる」と終始一貫強調した。また、「IT技術の推進が医療の質の向上・安全に寄与することは周知の事実である」としつつも、「同じ病名でも患者1人ひとり違う。患者さんに適切な医療を行うことは現場の基本的な考え方である」と画一的な医療の標準化には三師会とも反対していることを述べ、「オンライン請求完全義務化の問題について正しい認識で報道いただきたい」と訴えた。 その後、会場では一般紙の記者から、「いち新聞社の社説に対する会見は異例ではないか」との質問に対して、近藤副会長は、「たいへん影響力を持っている新聞社の“社説”に取り上げられている。見解の相違はあれ、医療者側の主張とかけ離れている内容だ」と述べた。大久保会長は、地域医療を支えている小規模診療所の重要性を主張し、「レセプトオンライン化に対応できない診療所は保険診療できなくなる。この痛切な訴えを理解いただきたい」と述べた。 このほか、「請求事務の効率化によるメリットついて」「オンラインに対して消極的ではないか」「代行請求が整備されれば手挙げ方式は改善されるのか」など、一般紙の記者から質問があいついだ。しかし、医療者側としての地域医療を守る日歯の主張と、経済的コストや事務的な効率化について質問する記者側との意見は、終始平行線となった。

元のページ  ../index.html#1

このブックを見る