2009年5月10日(日) 第161号2News今月のニュース今月のニュース経済界大賞「敢闘賞」を受賞した中尾 眞株式会社ジーシー代表取締役社長 3月20日(金)、日本歯科技工士会館にて、日本歯科技工士会(以下、日技、中西茂昭会長)による第89回代議員会が開催された。 冒頭、中西会長は挨拶のなかで、「平成21年度の厚労省科学研究『歯科関連職種における技術能力向上に寄与する試験のあり方の研究』が予算化され、歯科技工士の統一試験が具体的に進展する」と述べ、統一試験の早期実施に向けた環境整備を図っていくとした。 議案については、「第1号議案 平成21年度事業計画承認の件」ほか、上程された4議案のいずれも賛成多数で承認された。なかでも、「第3号議案 平成21年度都道府県技組織拡充対策費支給に伴う入会金積立金会計取り崩しの件」では、入会促進のために財源を切り崩す議案が承認された。 質問・要望事項については、海外委託技工物の問題や会員の減少問題、設備構造基準に対する問題など、組織率の向上や入会促進への対応を望む声が多く聞かれた。 なお、日技資料によると、現在の会員数は12,217名(平成21年2月28日現在)であり、同年度累計で入会者がゼロの県が9県、1桁の県が8割となっていることからも、会員の減少はさらに厳しい状況のようである。日技、第89回代議員会開催海外委託技工物問題や会員減少問題の質疑目立つ日歯連盟、第104回評議員会開催次期参院選候補者問題に議論集中 3月19日(木)、歯科医師会館にて、日本歯科医師連盟(以下、日歯連盟、永山一行会長)による第104回評議員会が開催された。 開会後、挨拶のなかで永山会長は、石井みどり氏(当時、日歯連盟参与)が2007年の参院選で職域代表として当選を果たしたことや、任期中に次期参院選の候補者が決定できなかったことなど、印象的な出来事を挙げ、3年間を振り返った。引き続き、来賓として挨拶した大久保満男氏(日本歯科医師会会長)は、社会保障費2,200億円の削減問題に対して連盟との協力体制を継続していくとした。その後、石井みどり氏(参議院議員)、大久保潔重氏(参議院議員)が国会報告を行った。 その後、時局報告、会務報告、会計報告、監査報告が各担当者より行われ、議事についは「第1号議案 日本歯科医師連盟役員報酬・退職慰労金支給規則の改正について」「第2号議案 平成21年度事業計画」など、上程された8議案のいずれも可決された。 なかでも、「第8号議案 次期役員の選出」では、堤 直文氏(熊本県歯科医師会会長、日本歯科医師会副会長)が推薦立候補者として次期会長に承認された。堤氏は、承認後の挨拶のなかで、「当面の問題は、次期参院選である。早急に臨時評議員会を開催するなどして皆さんの意見を統一し、この機会に臨んでいきたい」と、次期会長への意気込みを語った。なお、監事には中野健一郎氏、竹内昌司氏、松本常男氏が同じく承認された。 協議では、次期参院選挙について質疑が集中した。評議員からは、「次期の参院選まで残すところ1年3か月あまりとなった。候補者を擁立することが最大の課題ではないか」など、次期参院選に向けた対応の声が多く聞かれるものであった。「日本が輝き続けるためには、強みを生かせる戦略的公共投資が鍵となる」 株式会社ジーシーの社会的評価は、歯科界だけにとどまらない。同社は本年1月、株式会社経済界主催の「経済界大賞」敢闘賞を受賞した。ここでは、製品を通じて社会に貢献するという一貫した品質追求へのこだわりが評価された。同社代表を務める中尾 眞氏は、今回の受賞をどのように捉えているのか。企業・経営者のあり方、今後の歯科界が果たす役割についてうかがった。中尾:このたびの受賞に関しましては、芸術、文化、鉄道、建築など、いずれも各界を代表するすばらしい団体・企業の皆様とともに表彰され、私ども歯科医療業界に身をおく者としてたいへん誇りに感じています。歯科は、「生活を支える医療」として重要な役割を果たし、これからの健康長寿社会を支えるべく大きな社会的使命を持っていると思います。このようななかでの受賞は、業界全体の喜びでもあります。 小社は、1981年より継続してGQM(GC's Quality Management)に取り組み、2000年にデミング賞を受賞、2004年には世界で18社目となる日本品質管理賞を受賞しました。その後、グループ各社にもGQMの活動の輪を広げ、お客様の満足度向上に努めています。また、昨年の8月に日本経済新聞社と日本科学技術連盟が協同で実施した「第4回品質経営度調査」において、日本の大企業と並んで総合8位にランクされました。歯科の教育に関しましても、ディーラー様ならびに社員教育にも積極的に取り組み、教育機関であるデンタルカレッジのカリキュラムも日増しに充実したものになっています。 今回の受賞も、このような品質を中心とした質経営レベルの向上、いわゆる企業品質を高める取り組みが、広く社会に貢献する企業として認められたものと感謝しています。 昨今、各企業においてはたいへん厳しい経済情勢が続いています。私は企業のあり方として、昨年のリーマンショックに揺れるアメリカ市場原理主義の終焉は、アメリカ型マネジメントの限界を見た思いがしてなりません。一方、日本的経営の良さは自由競争の中にも人間が本来持っている尊厳を大切にすることで働く人たちのポテンシャルを引き出し、真の意味でエンパワーさせることで能力を発揮させることではないかと思っています。 このような観点から、われわれ経営者は、エンパワーメントを与えるリーダーにならなければならないと思っています。個々人が成長することにより、組織としての力が発揮されなければならないと感じている今日この頃です。 世界同時不況が叫ばれるなかでも、将来にわたって日本が輝き続けるためには、やはり日本が得意とする環境技術と、歯科を含めた最先端医療分野の強みを生かし、戦略的公共投資を行うことが鍵ではないかと思います。今こそ、臨・学・産が一体となり、その分野の広がりが大きくなることを期待するとともに、その活動の輪をさらに拡げる努力をしたいと考えております。プロフィール1976年、早稲田大学大学院工学研究科博士課程修了。1974年、而至歯科工業株式会社(現・株式会社ジーシー入社)。1983年、代表取締役社長に就任。以後、国際歯科製造者連名会長をはじめ数多くの役職を歴任し、現在では日本歯科商工協会会長を務める。2004年には薬事功労者として厚生労働大臣表彰を受賞。はたして組織拡充なるか……絵 山香和信3年間の活動について述べる永山会長。
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