新聞クイント2009年6月(お試し版)
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第162号 2009年6月10日(水)3News今月のニュース今月のニュース保険の窓JIADS 宮本新理事長就任記念講演会、7月に東京で開催「継承―そして、さらなる飛躍へ」をテーマに JIADS(小野善弘、中村公雄両特別顧問)は、きたる7月20日(月)、ベルサール神田(東京都)において、宮本泰和新理事長(京都府開業)就任記念講演会を開催する。テーマは、宮本新理事長の新しい門出にふさわしく「Succession&Progression:継承―そして、さらなる飛躍へ」 講演会当日は、宮本新理事長による「切除療法と再生療法~治療結果の永続性を求めて~」、「Esthetic Implants~インプラント周囲組織の長期的安定性」の2題、浦野智理事(大阪府開業)による「再生療法を併用することによる矯正治療への効果」、松井徳雄理事(東京都開業)による「JIADSペリオを考える」、佐々木猛理事(大阪府開業)による「歯周治療と補綴治療の連携」の3題の講演が行われる。そのほか、JIADS会員の奥田裕司氏(大阪府開業)による「インプラントサイトにおける抜歯窩のマネージメント」、瀧野裕行氏(京都府開業)による「審美領域における天然歯およびインプラント周囲のTissue Management」、高井康博氏(広島県開業)による「抜歯即時埋入を再考する」、猪子光晴氏(北海道開業)による「歯槽堤増大法」、中家麻里氏(大阪府開業)による「上顎洞底挙上術におけるCTの有効利用」、宮前守寛氏(大阪府開業)による「審美修復治療における材料の選択―ジルコニアの有効性と可能性を探る―」の講演が予定されている。 宮本新理事長が牽引する新生JIADSの初の講演会だけに多くの参加者が見込まれている。問合せ先:JIADS事務局(大阪)TEL:06-6393-1260FAX:06-6350-0076昭和大学歯科病院美容歯科医療系総合大学の特長を生かし、需要高まる 昭和大学歯科病院(岡野友宏病院長)は、診療科再編成によって2004年6月より全国の歯科大学で初の美容歯科を開設している。同科の責任者である真鍋厚史氏(昭和大学教授)は、「当時の病院担当理事であった鬼塚卓彌氏(昭和大学名誉教授)が当大学形成外科の教授をされていた時、日本に初の美容外科を設立しました。その経緯から、ぜひ歯科でも美容歯科を、となりました」と設立された経緯について語る。 患者さんの審美的要求の高まりから月に300名が来院し、「ホワイトニング、セラミック修復治療、ラミネートベニヤ、メラニン色素除去、歯肉退縮への対応など、幅広い治療を行い、矯正医とのチーム医療も行っています」と診療内容について語る真鍋氏。 ここまでは、他の歯科大学病院でも実際に取り組んでいる内容だが、真鍋氏はこう語る。「患者さんの年齢に応じた口腔を中心とした健康美の追求とメインテナンスを中心とした治療を行い、歯科、形成外科、皮膚科とのチーム医療を積極的に取り入れています」 医療系総合大学の特長を生かし、専門医との連携によって、患者さんとくに女性の患者さんが要望する美しい口元を実現するために診療に取り組んでいるようだ。 さらに真鍋氏は、「歯科材料の毒性などの研究も薬学部毒物学教室と連携して行っています」と、医療安全面も抜け目ない。開設当初から数多くの新聞・雑誌などに取り上げられている同科だが、今後の展望については、「今後はアンチエイジングの観点からサプリメント効果や、表情筋のエクササイズなども考えています」 現在、高齢者でも多くの歯(義歯も含む)があれば医療費がかからない報告も出されている。「美しい歯でいつまでも健康に」と願う患者さんが増えることで、これらの診療も保険適用となる時代がくることを期待したい。診療する真鍋教授。同科には1日20〜30名が来院する。女性歯科医師のスタディグループ「Women Dentists Club(W.D.C)」が発足全国から女性歯科医師40名以上が参集 4月25日(土)、26日(日)の両日、女性歯科医師のスタディグループ「Women Dentists Club(以下、W.D.C)」(林 美穂会長、福岡県開業)の発足にともない、全国から女性歯科医師40名以上が集まり、福岡市内にて総会、懇親会、講演会が開催された。 W.D.Cは林氏らを中心に、全国的な女性歯科医師のネットワークづくり、情報の共有化や後進の育成、臨床レベルの向上などを目的に設立。将来的には、女性歯科医師だからこそ携われる社会活動へも積極的に取り組みたいという。 25日(土)の総会では役員選出が行われ、会長に林氏、東日本支部長に天川由美子氏(東京都開業)、西日本支部長に吉村理恵氏(福岡県開業)が選ばれた。 翌26日(日)には福岡ビルにて、下川公一氏(福岡県開業)による特別講演「The fantastic smile treatment in dentistry」が行われた。氏は咬合治療のスタートを歯の形態的回復から行うこと=従来の咬合理論と現実とのずれを指摘し、患者の症状への個別対応という視点での順序だてた診断の重要性を力説した。 その核心は、顎関節のみならず咬合関連筋や頭位、舌位などの解剖学を活用した患者の問題点の分析と、それを解決したうえでの生理的で恒常性のある顎機能形態の回復である。氏はそのような根源的な治療によって生まれるスマイルを「ファンタスティックスマイル」と呼び、ともすれば単なる形態的な回復に陥りがちな現在の治療に一石を投じるとともに、これからの方向性をW.D.Cに示すこととなった。 今秋には、東京にて第2回総会を開催予定。女性歯科医師ならではの感性で歯科界に新たな風を吹き込めるか、今後の活動から目が離せない。会員の集合写真。写真提供:株式会社ヨシダ 乳歯列・混合歯列期におけるGの治療については、一部の地域でいまだに混乱が見られるようである。 その内容とは、基本検査を算定すると「必要性について」と返戻され、検査を算定せずに歯管・機械的歯面清掃加算を算定すると「検査に基づかない歯管について」として、返戻されるというのである。 歯管には「(中略)なお、歯周病に罹患している患者の管理計画書を作成する場合は歯周組織検査を実施し、その結果を踏まえた上で歯周病に対する治療方針等を含めた管理計画書を作成すること」とある。また、歯周基本治療には「歯周組織検査の結果に基づき必要があると認められる場合に実施する。歯周組織検査が実施されていない場合は、本区分は算定できない。なお、歯周基本治療については、『歯周病の診断と治療に関する指針』を参考とすること」となっている。 その指針では、「学童期の歯周治療においても基本的には成人と同様の対応が求められるが、混合歯列期の特性にあった指導・管理・治療も必要であり、柔軟に対応すべきである。したがって、視診・触診等で判断できれば成人で行う歯周組織検査は必須でなく、歯周治療もブラッシングをはじめとする口腔清掃指導やスケーリングが中心となる」とあり、歯周組織検査はなくとも管理・スケーリングは可としている。 改正から1年以上経過するなかで、多くの地域ではスケーリングを行うにあたっては歯周組織検査を必要とするが、歯管は指導や歯面清掃だけで改善が見込まれると判断できれば歯周検査はなくても可とされてきたようである。実に妥当なお・・・・・・としどころではないだろうか。(お茶の水保険診療研究会:Y・S)乳歯の治療について(その2)

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