2009年11月10日(火) 第167号2News今月のニュース今月のニュース日歯、定例会見を開催歯保連の設立に大久保会長が言及 9月17日(木)、歯科医師会館において、日本歯科医師会(以下、日歯、大久保満男会長)による定例記者会見が開催された。 席上、大久保会長は政権交代を実現した民主党について、「(日歯が主張する歯科医療政策の実現のためには)与党との政策協議を行っていく」と述べ、従来どおり政権与党と関係構築を図っていく意向を示した。 また、長妻 昭氏(衆議院議員)の厚生労働大臣の就任については、「年金については理解のある方とは存じているが、医療についてはこれからじっくりと議論を重ねていきたい」と述べ、さらに「後期高齢者医療制度の廃止を明言しているが、廃止後の枠組みづくりはまだ見えない。ただし、日歯としては要介護者を在宅診療で支える従来からの主張に変わりはない」と強調した。 その後、記者団から「9月11日(金)、歯学系学会社会保険委員会連合(以下、歯保連、今井 裕会長)の設立説明会が開催されたことに対する日歯の見解について」との質問に対して大久保会長は、「外科系学会社会保険委員会連合(外保連)はまったく異なる機能を持っている組織。歯科は単科であり、日本歯科医学会が学問的立場から歯科の主張をカバーしている。診療報酬改定(評価にかかわる医療技術の評価・再評価)についてはすでに学会内でも組織的に動いているため、歯保連のような同じ組織は必要ない」とあらためて歯保連の不必要性を示した。 さらに、日本歯科医学会所属の学会も歯保連に参加していることから「混乱が生じるようなことは避けてほしい。学会と歯保連の調整がつかないなら最終的には乗り出すしかないと思っている。本来は学会内部の問題として処理していただきたい」と述べた。歯保連の設立について述べる大久保会長。プロフィール1994年、明海大学歯学部卒業、歯科医師免許取得。1996年、嶋田歯科医院開設(埼玉県)。2003年、民主党埼玉県参議院選挙区第3総支部長。2004年、第20回参議院通常選挙にて初当選。現在、内閣委員会委員、行政監視委員会委員、国際・地球温暖化問題に関わる調査会理事、歯科医療議員連盟事務局長などを務める。「国民の目線で国民のための政治活動を行っていきたい」 8月30(日)、第45回衆議院総選挙において民主党が圧勝し、9月16日(水)には鳩山由紀夫内閣が発足した。同党はマニフェストの中に医師不足解消や社会保障費削減撤廃など、医療政策を掲げているが、歯科医療についてはどのように考えているのだろうか。本欄では、同党の島田智哉子氏(参議院議員、歯科医師、歯科医療議員連盟事務局長)に歯科医療政策についてうかがった。島田:まずは、先般の衆議院総選挙において、わが民主党が政権交代を実現したことに対して国民の皆様に感謝申し上げます。当時、鳩山由紀夫代表(現・内閣総理大臣)は総選挙の結果を受け、「国民の皆さんには勇気をもって政権交代を選択していただきました」とおっしゃいました。民主党は国民の皆様からいただいた議席数におごることなく、マニフェストの実現のために全力で取り組んでいきたいと思います。 歯科医療問題に関しましては、2008年6月に「歯科医療議員連盟」(以下、議連、小沢鋭仁会長)を設立し、私は歯科医師の立場から事務局長を拝命させていただいています。本議連では設立以来、歯科医師の諸問題だけでなく歯科衛生士部会と歯科技工士部会を設置し、労働条件の改善や相互連携による歯科医療のあり方についても議論を進めています。 このたび、川口 浩先生と水野智彦先生の2人の歯科医師が新たに民主党の仲間として加わり、大久保潔重先生(参議院議員)を含め、歯科医師は4名となりました。これを機に国民のための歯科医療に関心を持つ国会議員が増え、本議連にもさらに多くの議員が参加することを願っています。 民主党には、議連の設立以前から歯科に関して非常に注力していただいている諸先輩方がおり、その先頭に立ってくださったのが桜井 充先生(医師、参議院議員)です。2000年には、「歯科医療を考えるワーキングチーム」(桜井充座長)を立ち上げ、2001年には「歯科医療改革案(21世紀の歯科医療のグランドデザイン)」を取りまとめました。 当時は野党であったため、グランドデザインが出された際の関連法案や具体的な提言について、そして2度提出しました「歯の健康の保持の推進に関する法律案」は、政策に反映することができませんでした。しかし与党となった今、議連においても歯科医療の再構築や社会保障のあり方など、現在まで議論を重ねてきましたので、それらをさらにブラッシュアップし、歯科医療政策に反映していきたいと考えています。 昨今の口腔の健康が全身の健康に寄与する研究データも報告されていることに鑑みても、赤ちゃんから高齢者まで、一生涯を通じた歯の健康を保持する歯科健診体制は必要です。今後は、先ほど述べた歯科に関する法律の早期制定も視野に入れ、歯科医療改革の実現に取り組んでいきたいと思います。国民の目線で国民のための政治活動を行っていきますので、歯科医療関係者の皆様のご支援とご協力をお願い申し上げます。日技、第90回代議員会を開催中西氏、次期参院選には出馬せず 9月12日(土)、日本歯科技工士会館において、日本歯科技工士会(以下、日技、中西茂昭会長)による第90回代議員会が開催された。 議案については、「第1号議案 平成20年度事業経過報告承認の件」「第2号議案 平成20年度会計収支決算報告承認の件」の上程された2議案いずれも賛成多数で承認された。協議事項については、公益法人改革にともなう組織機構改革について、2011年6月までに公益法人への移行を目指し諸手続きを進めていることが説明された。 質問・要望事項については、前回の第89回代議員会と同様に海外委託技工物や会員の減少問題、若年層技工士の空洞化と離職率の高さ、専門教育の向上(3~4年制への移行)、歯科技工士全国統一国家試験の早期実現などが寄せられ、会員の高いモチベーションは感じられたが、いまだ問題が日歯連盟、次期参院選撤退か……絵 山香和信日歯連盟、次期参院選撤退か……絵 山香和信与党として歯科医療改革の実現に挑む島田智哉子参議院議員、歯科医療議員連盟事務局長多いことが浮き彫りになった。 代議員会修了後には、記者会見が行われ、中西茂昭氏(日本歯科技工士連盟会長)は、日本歯科医師連盟(以下、日歯連盟)が次期参院選候補者を髙嶺明彦氏(日本歯科医師連盟参与)に決定したことを受け、「日歯連盟の決定を支持し、要請があればいつでも髙嶺氏へ推薦状を出す」と述べた。各28,000円(税抜)1セット3本入り18,000円(税抜)
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