2011年2月10日(木) 第182号3保険の窓「単月審査」「縦覧審査」「横覧審査」(その3) レセプトの電子化によって、同一患者の同月における他の医療機関あるいは調剤のレセプトとの突合が可能となる。今までは、院内処方の場合には病名と薬剤との不一致や、禁忌または併用禁忌とされている薬剤を投与した場合は、医科・歯科の審査会で薬剤を査定することができた。ただし、処方せんにより投薬した場合にはすべてについて突合を行うことは困難であることから、調剤の点数が1,500点を超えるケースのみ突合を行ってきた。 ところが、これからは電子化されたレセプトについては点数にかかわら 今月のニュース新年賀詞交歓会で挨拶を述べる中尾会長。 1月6日(木)、ホテルグランドパレス(東京都)において、日本歯科商工協会(中尾 眞会長)による新年賀詞交歓会が開催され、多数の歯科医療関係者が参集した。 開会後、中尾会長は挨拶のなかで、今後の取り組みとして①新医療機器・医療技術産業ビジョンの具現化②トレーサビリティーの確保③新技術の創出̶̶3つに対する協力を協会会員にお願いするとともに、「皆様方のご健勝を祈念するとともに兎のように元気に飛び跳ねる飛躍の年にしたい」と述べた。 引き続き、政界からは石井みどり氏(参議院議員)、水野智彦氏(衆議院議員)、川口 浩氏(衆議院議員)、歯科関係団体からは日本歯科医師会、日本歯科技工士会、日本歯科衛生士会など多数の来賓が招かれ、挨拶および紹介が行われた。その後、祝宴が催され、会場は今年1年の歯科業界のスタートを祝うべく賑わいをみせていた。 なお、賀詞交歓会に先立って開催された表彰式では、功労表彰者に井上恒雄氏(株式会社井上器材代表取締役社長)、会長表彰者に竹花大八郎氏(城田電気炉材株式会社代表取締役社長)、大林文夫氏(株式会社吉田製作所情報リサーチセンター部長)、百山 忠氏(株式会社モモセ歯科商会代表取締役社長)、後藤忠久氏(株式会社後藤歯科商店代表取締役社長)、土屋昌太郎氏(株式会社土屋歯科商店代表取締役社長)、田口靖夫氏(有限会社田口歯科器械店代表取締役社長)、浅井宏明氏(有限会社浅井歯科商店代表取締役)の計8名が選ばれ、表彰状が授与された後、表彰者を代表して井上氏が謝辞を述べた。 下顎総義歯の吸着メカニズム理論を確立し、日本の総義歯臨床に多大なる貢献をし続けてきた阿部二郎氏(東京都開業)による新たな総義歯製作メソッド本が2011年春、クインテッセンス出版より出版される。 本書は阿部氏、小久保京子氏(エースデンタル)、佐藤幸司氏(佐藤補綴研究室)が執筆し、BPS(生体機能的補綴システム、Ivoclar Vivadent社)とよばれる4段階で義歯を製作できるシステマティックなメソッドと阿部氏が確立した下顎総義歯の吸着メカニズム理論の融合によって、だれもが習得しやすく結果の出せる義歯製作の内容を余すところなく収載している。 きたる4月17日(日)に出版記念講演会が開催される。以下に出版記念講演会の概要を示す。講演名:「世界に挑む総義歯臨床本 阿部二郎・小久保京子・佐藤幸司先生出版記念講演会」講演タイトル:「未来の義歯はこれで決定!『臨床 下顎総義歯の吸着 第2弾』―BPSを活用した吸着義歯!完全攻略―」主催:株式会社モリタ協賛:Ivoclar Vivadent株式会社、クインテッセンス出版株式会社日時:2011年4月17日(日)時間:9:30~16:00会場:ベルサール九段 大ホール定員:200名お問い合わせ:株式会社モリタ 東京本社セミナー係TEL:03-834-6164FAX:03-3834-6177※講演名・タイトルは変更になる場合あり 今月のニュース新年賀詞交歓会で2011年がスタート日本歯科商工協会 今月のニュース2日目に行われたディスカッションの様子。 1月8(土)、9日(日)の両日、アキバホール(東京都)において、第16回ヨシダCTユーザーミーティング(株式会社ヨシダ主催、山中一郎代表取締役社長)が盛大に開催された。 1日目はまず、本ミーティングの座長を務めた小宮山彌太郎氏(東京都開業)による「インプラント治療におけるCT画像の必要性」と題した基調講演が行われた後、寺西邦彦氏(東京都開業)、佐藤孝弘氏(新潟県開業)、千葉豊和氏(北海道開業)、山田國晶氏(京都府開業)らによる講演が順次行われ、いずれの演者からも日常臨床においてCTを活用していることがうかがえるほど、示唆に富んだ内容が披露された。また、講演の途中には本ミーティングのコメンテーターである山﨑長郎氏(東京都開業)が、今後の歯科医療においてCT画像診断が必要不可欠であることを強調した。 2日目は、大野素史氏(静岡県開業)、榊 恭範氏(福岡県開業)、林揚春氏(東京都開業)、船越栄次氏(福岡県開業)、眞坂信夫氏(東京都開業)、中村社綱氏(熊本県開業)といった歯科界を代表する臨床家による講演が行われ、各演者からは幅広いCT活用術などが示された。 その後のディスカッションでは、インプラント治療をはじめ歯科領域の幅広い治療においても術前のCT画像診断が必要不可欠となりつつある現状が強調された。また、患者さんへのコンサルテーション、術後の再評価にもCTの応用が有効であることが語られるなど、新年早々終始活況を呈したミーティングとなった。歯科界を代表する臨床家が新年より多数参集ヨシダCTユーザーミーティングず、すべてについて突合が行われる。横覧審査の強化である。 たとえば、「適応」として「手術後、抜歯後」とされている鎮痛消炎剤や消炎酵素剤を適応外のケースに処方した場合、院内処方では査定されることがあっても、処方せんによる投与では査定されることはなかった。歯科において1,500点を超えるケースはほとんどないので、すべての院外処方は請求どおり支払われてきたものと思われるが、今後の突合により査定される恐れがある。そして、非は調剤にではなく医療機関にあることから、査定された金額は医療機関への支払いから差し引かれる。 2剤以上を処方し、1剤を査定された場合は薬剤料のみ差し引かれるだけで済むが、すべての薬剤が査定されると処方自体がなかったことになり、調剤技術料をはじめすべての調剤請求が査定され差し引かれることになる。医療機関の処方せん料の査定はもちろんであるため、十分な注意が必要である。 (お茶の水保険診療研究会:Y・S)左より阿部氏、小久保氏、佐藤氏。3氏共著による義歯臨床本が今春ついに刊行出版記念講演会が4月に決定団 体企 業出 版●隔月刊誌:奇数月10日発刊 ●サイズ:A4判変型 ●定価:4,830円(本体4,600円)●年間購読料:定価28,980円(本体27,600円・税5%)お問い合わせ・ご購入は03-5842-2272または歯学書ドットコムまで!■ 特別企画「予知性の高い新フラップレス抜歯後即時インプラント埋入─チタンメッシュ・トンネリングテクニックを応用して─」 島田昌明 ● Trend & Topics ◆「唇側歯槽骨の幅が2mm以上必要であるという概念を明らかにするための、上顎中切歯のコーンビームCTによる計測」Nowzari H/Molayem S/Chiu CH/Rich SK/抄訳:飯田吉郎/疋田久登● インプラント審美 ◆「咬合再構成症例̶抜歯時期を考慮したスマイルテクニックインプラント埋入法̶」松川敏久● インプラント補綴 ◆「CAD/CAMシステムを用いたインプラント上部構造の製作」八島宏文/下尾嘉昭● インプラント教育 ◆「第1回 口腔インプラント教育の現状と取り組み」渡邉文彦● 連載 ◆「1症例を通してみるインプラント治療の流れと関連器具・器材」小川勝久/浅見晃朗 ◆「インプラント補綴のリスクファクターを少なくするために」前田芳信/和田誠大/松田信介インプラントを臨床に生かすための専門誌1号
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