新聞クイント2013年1月(お試し版)
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2013年1月10日(木) 第205号3保険の窓末松 誠慶應義塾大学医学部長(写真左)と井出吉信東京歯科大学学長。 11月25日(日)、株式会社モリタ(大阪府、森田晴夫代表取締役社長)の歯科用ユニット「Soaric(ソアリック)」がグットデザイン金賞(経済産業大臣賞)を受賞した(受賞企業:株式会社モリタ製作所、京都府、塚本耕二代表取締役社長)。 「グッドデザイン賞」は、公益財団法人日本デザイン振興会が主催する総合的なデザインの推奨制度。1957年に通商産業省(現・経済産業省)によって創設された日本唯一の総合的なデザイン評価・推奨の仕組みであり、50年以上にわたって、デザインを通じて産業や生活文化を高める運動として国内外の多くの企業やデザイナーが参加している。これまでの受賞件数は約38,000件にのぼり、受賞のシンボルである「Gマーク」は、「よいデザイン」の指標として広く親しまれている。 「ソアリック」は、2012年度グッドデザイン賞の審査対象3,132点の中から「グッドデザイン・ベスト100」に選定され、さらにその中から「グットデザイン金賞」を受賞した。 受賞の理由として、患者さんの身体条件などに優しく対応したインターフェイスをテーマに、高い次元で取り組み、医療機を感じさせないシンプルでかつ完成度の高い優しいデザインが高く評価されたことが挙げられる。 なお、今回の大賞には日本放送協会のテレビ番組「デザインあ」が選ばれている。 「ソアリック」は、先般受賞したドイツの「iFデザイン賞」の金賞受賞に続き、世界的に権威ある審査機関から高く評価される結果となった。 「歯科技工士が集う 東日本大震災復興支援チャリティ講演会」(山本眞実行委員代表)は10月25日(木)、全国4ヶ所で開催したチャリティ講演会(福岡、名古屋、大阪、東京)および実習コース(大阪、東京)で集まった収益金2,818万1,574円を「公益財団法人 東日本大震災復興支援財団」(東京都、立石勝義代表理事)の高校生対象給付型奨学金「まなべる基金」へ義援金として全額寄付した。 11月5日(月)には、同財団代表理事である立石勝義氏らが山本 眞氏(M.YAMAMOTO CERAMIST'S INC.顧問)ら実行委員のもとを訪れ、感謝状が贈呈された。 今回のチャリティ講演会は、国内外で活躍する歯科技工士や歯科医師の演者をはじめ、本活動に賛同した歯科関係者がすべて手弁当で作り上げたもの。また、収支報告からも山本氏の本活動にかける思いの強さと成功に導くための徹底ぶりがうかがえる(収支報告の詳細はhttp://applause-j.com/311/charity.htmlを参照)。 そして何より、延べ1,497名の参加者がまさに山本氏の目指した「一人の力では成しえないことも、多くの同士が力を合わせれば何かできるのではないか」という思いを具現化したといえる。 東京会場を最後に終了すると思われた「東日本大震災復興支援チャリティ講演会」――。しかし、山本氏が東京会場の挨拶で述べた「震災を風化させないためには継続的な支援が必要」という思いから、すでに東北講演の開催に向けて新たなスタートを切っているようである。今後の活動に注目したい。モリタ社「Soaric(ソアリック)」がグットデザイン金賞を受賞立石勝義代表理事(写真左より3人目)より、山本実行委員代表に感謝状が贈呈された。 11月26日(月)、東京歯科大学(井出吉信学長)と慶應義塾大学医学部(末松 誠医学部長)は、教育・研究・臨床において相互交流を深め、歯学・医学の進歩と発展に向けて学術活動を推進していくことに合意し、連携協定を締結した。 東京歯科大学と慶應義塾大学医学部は、以前から教育・研究・臨床で人事交流が実施され、とくに東京歯科大学市川総合病院には、多くの慶應義塾大学医学部の卒業生が勤務している。口腔ケアと全身の健康の関係において、今後よりいっそうの連携を深めていくとしている。 また、平成19年度にスタートした文部科学省の大学改革支援事業「がんプロフェッショナル養成プラン」に連携大学として参加し、患者中心のチーム医療を牽引し、がん医療を担う医療人の養成を推進している。 さらに、平成24年度には新たに同事業において、慶應義塾大学を基幹校とするプログラム「高度がん医療開発を先導する専門家の養成」が採択され、がんに特化した医療人の養成に取り組むべく、引き続き東京歯科大学が参加している。 本協定では、両校の教員(医師・歯科医師)を対象に平等互恵の精神に基づき、それぞれの独自性を保ちつつ、人材育成と人材交流、共同研究、学術情報交換などの連携交流を進めることを明文化している。また、協力体制を確立することで、これまでの両校の関係を維持・発展させるとともに、医歯学協働による新しい人材の育成と学際領域、複合領域の研究教育の推進を図りたいとしている。東京歯科大学、慶應義塾大学医学部と連携協定を締結訪問診療について(その3) 歯科訪問診療を行うにあたっては、「歯科訪問診療における基本的考え方」(平成16年日本歯科医学会)を参考にすることとされている。このガイドラインはA4サイズ1枚に収まるだけのきわめて簡略なものである。 そのなかで訪問診療における治療については「高い技術度や正確性を要求される……」は搬送し、必要な設備、人員を備えた施設で行うべきで「複雑にならない保存、補綴、歯周処置および……」「簡単な抜歯……」が該当すると記されている。それをうけて、保険点数算定上の訪問診療で50/100加算が算定できるのは抜髄、感染根処、根貼、根充、普通抜歯、GA切開および床修理のみに制限されている。傷病により一時的に入院や療養を行っており、病状が改善されれば再び外来において診療できる者であれば百歩譲ってこの制限を認めるとしよう。だが、現在訪問診療を行っている患者の大多数は、こののち一生外来で診療することができず、歯科治療やメインテナンスのすべてを訪問によって行わざるを得ない患者たちである。搬送可能であれば、抜髄をはじめとする前記の処置なども搬送して行えばよいが、現状は搬送困難であり訪問による診療がより合理的である者に限って訪問診療を行っている。ガイドラインおよび点数表の早期改訂を強く望む。 また「著しく歯科治療が困難な者」を外来で診療すれば50/100加算が算定できる行為であっても、訪問で診療を行えば訪問診療で50/100加算できる行為以外は、50/100加算できないとの解釈も一部にはある。これは社会通念上からみても暴論以外の何ものでもない。(お茶の水保険診療研究会:Y・S)約2,800万円を「まなべる基金」に全額寄付歯科技工士が集う 東日本大震災復興支援チャリティ講演会 今月のニュース 今月のニュース 今月のニュース企 業大 学社 会グッドデザイン賞金賞を受賞した「Soaric(ソアリック)」。

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