新聞クイント2014年11月(お試し版)
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2014年11月10日(月) 第227号2 9月15日(月)、ダナハーコーポレーション(Danaher Corporation)は、インプラントメーカーであるノーベル・バイオケア(Nobel Biocare Holding AG)の買収を発表した。買収額は、約22億ドル(約2,350億円)。今回の買収により、ダナハーの歯科事業部門は歯科インプラント分野で最大手となる見込み。取引完了は2014年末から2015年初めとなる見通し。 ダナハー歯科事業部門上級副社長であるHenk van Duijnhoven氏は、「ダナハーの歯科事業部門はよりいっそうお客様のお役に立てるよう歯科技術・イノベーションの幅広い分野への投資を継続する。ノーベル・バイオケアが誇るインプラント歯科、デジタル補綴、ソフトウェアに関する深い専門知識と、当社が有する3次元画像化、口腔内スキャニング、デジタル修復ソリューションの幅広い知識を結集することで、ワークフローの最適化、統合を促進することができる。これは、臨床成果の向上、治療時間の短縮、診療回数の減少など、患者や歯科開業医の皆様に資する結果を生む。このような組み合わせは、われわれの事業戦略をいっそう後押しし、歯科事業を将来の成長に向けて位置付ける」と述べている。 なお、ノーベル・バイオケア社は、ダナハー社の歯科事業部門内で独立した会社として事業を継続する。日本市場に影響を及ぼすのか、今後の動向に注目したい。インプラント教育の充実に尽力する教育者春日井昇平東京医科歯科大学大学院教授患者さんに信頼される歯科医師となるために何が必要かを考えてほしい 東京医科歯科大学大学院教授であり、インプラント外来科長も務める春日井昇平氏は、積極的に診療に取り組み、休日返上で学会や講演会にも参加する。臨床現場の経験を少しでも教育や研究に反映させるためだ。本欄では、春日井氏の臨床現場を重視する教育者としての思いをうかがった。春日井:インプラントに関連した材料と技術のめざましい進歩によって、従来の可撤性義歯やブリッジのように天然歯に負荷をかけず、口腔機能を回復・維持することができるようになりました。インプラント治療は、全身管理や解剖学的な知識などが必要であるため、特殊な治療と思われがちですが、知識や技術を習得さえすれば、欠損補綴の1つのオプションにしかすぎないといえます。インプラント治療に関する教育は、その多く開業医がいまもなお、研修会やセミナーで学んでいる現状があります。大学のポストグラデュエイトコースも企業主催のコースと同様に短期間では経験も浅く、すぐにインプラント治療を行うことは困難です。にもかかわらず安易にインプラント治療を行い、問題を抱えてトラブルとなった患者さんの数も増加しています。今後は、たとえば治療計画から最終補綴物装着に至るまで、経験豊富な歯科医師のアシスタントとしてサポートしながら症例に応じて継続してステップアップできるようなカリキュラムが必要です。 当病院のインプラント外来は、歯科医師の経験に応じて症例の選択を行っています。将来展望として、臨床研修歯科医にもインプラント治療ができるような教育体制を確立していかなければならないと思っています。 生涯研修を考えるうえで、日本と米国の歯学教育がしばしば比較されますが、米国では州によって期間は異なるものの、免許更新制となっています。更新するためには必要な卒後研修単位を取得する必要があります。一方、日本の歯学教育は6年間の教育を受け、国家試験に合格すれば免許を取得できる終身制です。その後、研修歯科医としてトレーニングを積む日本に対して、米国は在学中に多くの患者さんを診て、診療経験を多く積むことができるので、卒業と同時に開業することが可能です。このように、米国の教育システムはリタイアするまで生涯研修が義務付けられています。 超高齢社会を迎え、全身疾患を有する高齢患者が今後ますます受診することが予想されます。歯科の役割が注目されている昨今、歯科医師を養成する日本の歯学教育や生涯教育のあり方も早急な対応が求められるのではないでしょうか。 歯科医療者として日々の臨床においてベストを尽くし、つねに安全な歯科医療を提供できるように歯科医師は生涯にわたって学び続ける必要があります。患者さんに信頼される歯科医師となるために何が必要かを考えていただきたいと思います。ダナハー、ノーベル・バイオケアを買収歯科インプラント分野で最大手となる見込み全体会議などが行われ、大会終了後には提言・声明が発表される予定。なお、10月1日(水)よりホームページにて事前登録が可能。 引き続き、山科 透氏(8020推進財団副理事長)より、平成26年度調査研究事業「歯科医療による健康増進効果に関する調査研究」の内容が示された。本調査は、歯科医療の健康増進効果を明らかにするために、全国の歯科医院と成人期以降の歯科患者を対象として質問票と歯科健診による縦断調査を行い、歯科受診状況と口腔および全身の健康の関係を明らかにするもの。調査目的は、①歯科患者の口腔および全身の健康状態の把握、②歯科受診と口腔と全身の健康の関係、③歯科患者の受診パターンの把握とそれに影響する要因の把握――とし、調査対象は各都道府県歯科医師会に所属する歯科医院から抽出した1,410医療機関。10月27日(月)以降の1週間で来院したすべての初診患者および再初診患者の約30,000人。ベースライン調査を行った患者を対象に2019年まで年1回(毎年)の郵送による追跡調査を予定している。8020推進財団、30,000人を対象とした調査研究をスタート日歯記者会見 9月25日(木)、歯科医師会館において、日本歯科医師会(以下、日歯、大久保満男会長)による定例記者会見が開催された。 大久保会長の挨拶後、中島信也常務理事より、きたる2015年3月13日(金)から15日(日)にかけて東京国際フォーラムにおいて開催される「世界会議2015―健康寿命延伸のための歯科医療・口腔保健―」(日歯、日本学校歯科医会、8020推進財団、日本歯科商工協会主催、WHO共催)の計画概要が発表された。3日間にわたって、特別講演、開会講演、シンポジウム、 今月のニュース 今月のニュース社 会企 業かすがい・しょうへい1979年、東京医科歯科大学歯学部卒業。1983年、同大学歯学研究科大学院修了(歯学博士)。現在、東京医科歯科大学歯学部附属病院インプラント外来科長(併任)、同大学院医歯学総合研究科インプラント・口腔再生医学教授。歯科の新病名、創生なるか…… 絵 山香和信調査研究事業について説明する山科 透氏。

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