9QUINT ORAL INFORMATIONクイント・オーラル・インフォメーションP R編集部 次に、FINESIAを安心・安全に埋入するための外科術式のポイントについて教えていただけますか?皆川 私は、長年多くのインプラントの経験を積んできました。そして、その中でたどり着いたのがサージガイドです。フリーハンドの手術は経験や感覚によるものが多いと考えます。 インプラントの長期安定性に必要なことは、診査診断により治療計画を立案し、その後、正確な位置に適切な手技でインプラントを埋入し、補綴につなげていくことが重要だと考えています。 現在、デジタル技術が、インプラント治療に応用されていますが、このような環境では、より適切な診査診断と手技が重要であると思います。 ガイデッドサージェリーはインプラント治療において必要な術式であり、より精度の高いなガイドシステムを使うことが非常に重要であると考えています。 そして、FINESIA用フルガイドドリリングシステムとして販売されている【的心】は、私自身も開発にアドバイスを行っていますが、従来のシステムをより発展させ、よりシンプルに完成度の高いシステムになっていると感じています。編集部 最後に、FINESIAが長期にわたって良好な予後を得るための臨床的ポイントについて教えていただけますか?林 私は長年にわたって京セラ社のインプラントを使用してきました。FINESIAは2016年の臨床モニター開始時より使用していますが、上向き溝型スレッドのためか、今までのインプラントより骨の寄り付きがよいと感じています。臨床結果も非常によい状況で推移しています。 このFINESIAには、ボーンレベルタイプ(BL)とティッシュレベルタイプ(TL)が用意されています。京セラに聞いたところ、BLとTLの販売割合は8:2とのことですが、私の医院では半分以上TLを使用しています。これは、TLの安定性に関するさまざまな研究報告とPOIインプラントでの長年の臨床実感に基づくもので、臼歯部では予防的観点をふまえて積極的にTLを使用しています。一方、審美領域などではBLは有効的ですが、Transitional Contourの考慮などが重要です。 すこしデザイン的なことを話したいと思いますが、FINESIAでは全体的なインプラントデザインはもちろんですが、特にスレッドデザインの変更、プラットフォームスイッチングの採用、コネクションデザインが従来の京セラ社のインプラントより大きく変更されています。 特に、コネクションデザインはバットジョイントからテーパージョイントに変更されました。テーパージョイントは多くの論文報告されているとおり、マイクロムーブメントの抑制効果が高く、周囲組織の温存にも寄与すると考えています。 しかし、テーパージョイントは補綴においてさまざまな考慮が必要です。楔状結合により大きな結合力を得ることができますが、スクリューの締結力によりアバットメントが沈み込むことになるため、上部構造の選択やコネクション、咬合調整において次の①~③の注意点があります。①スクリュー固定式の連結を行う場合、インプラントレベルで連結するのではなく必ずスプリントアバットメントを使用する。②Veri cation Indexを採用し、印象と模型の精度を担保する。③テーパ-ジョイントのインプラント(特にBLタイプ)に直接スクリュー固定式で締結する際、最終トルクをかける前後で僅かな咬合接触関係に誤差が生じる(低くなる)ため、その分を考慮した咬合調整が必要になる。 これらに配慮することで、FINESIAのよりよい臨床結果につながると考えます。林症例:6抜歯後にFINESIA TLを埋入。埋入時のデンタルX線写真では、歯槽骨周囲の骨梁が不鮮明である。最終補綴装置を装着して7ヵ月後にはスレッド周囲の骨梁が安定してきていることがわかる(インプラントイヤーブック2019より引用)。初診インプラント埋入最終補綴装置装着装着7ヵ月後林 美穂福岡県開業:歯科・林美穂医院Woman Dentist Culb会長皆川症例:6の残根を抜去後、フラップレスでインプラントの埋入を行った。ガイドを用いることで歯槽中隔にピンポイントで埋入されている(インプラントイヤーブック2019より引用)。皆川 仁東京都開業:皆川総合歯科クリニックMinagawa Academy Club主宰FINESIA Surgical Guide System【的心】www. nesia.world
元のページ ../index.html#9