クイントオーラルインフォメーション2024
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  アライナー矯正は、矯正歯科治療の一選択肢として歯科界に広く定着したと感じています。一般社会においても、これがどういう治療であるかはよく知られるようになっており、患者さんがアライナー矯正を求めて歯科医院を訪れる時代です。 図3図415スカラップ製品に関するお問合せ・ご質問SureSmile(シュアスマイル)サポートダイヤル0120-141-431電話受付/9:00~18:00(月-金/祝日除く)メール(24時間受付)japan-suresmile-cis-support@dentsplysirona.comストレート2.0mmQUINT ORAL INFORMATIONアライナー矯正歯科治療の将来展望をお聞かせくださいクイント・オーラル・インフォメーションつながった症例の報告もあります。 そして、フィッティングがとてもよくなるため、アライナーを装着した時に痛かったり、しゃべりにくかったりといった不快な感じが減り、患者さんのコンプライアンスも高まると思います。  「VPro」は、上顎と下顎のフルアーチに対して同時に振動を与えることができるデザインで、患者さんにはアライナーを装着した状態で1日5分間の使用を説明しています。かつ、コードレスタイプなので、患者さんは使いやすいようです(図3、4)。 さらに『加速矯正による治療期間短縮のコンセプト スピード矯正研究会ケースブック』(クインテッセンス出版刊)という書籍に山田邦彦先生(東京都勤務)と神谷規明先生(東京都開業)が「VPro」を使用した症例を報告されています。その症例では、アライナーの交換を4日ごとに行い、97ステージをリファインメントせずに治療を終えることができたとあります。これは「VPro」を使用することで、フィッティングが向上したものからと解説されていました。また、もともとは97枚以上のアライナーの使用が予定されていて、仮に1週間ごとの交換であれば2年以上の期間が必要であったところ、アンフィットが生じることがなく、およそ半分の期間で治療を進めることができ、「VPro」の有効性を確認できたと考察されています。1日5分間の使用でこの結果が得られるという手軽さは、患者さんにとっての大きなメリットになるのではないかと私は感じています。 また、「VPro」は、装着時間の記録やアライナー変更の間隔などを専用のアプリ上で管理できるので、これも患者さんのコンプライアンスの向上につながると思います。  「VPro」はアライナー矯正を行っているすべての患者さんに使用してもらいたいと私は思っていますが、なかでも、大臼歯の圧下によるオープンバイトの改善が必要な患者さんや、臼歯の遠心移動が必要な患者さんにはこの「VPro」の使用が最適になるのではないかと考えています。 最後に「VPro」の使用感をまとめると、実際に振動を与えることで歯とアライナーとの適合性がよくなっていることを実感しています。それ以上に、固い骨のなかにある歯を動かすという矯正歯科治療において、骨のコンディションを変えて歯を動かしやすくするデバイスでもあると考えています。「VPro」を使うと弱い矯正力でも歯の動きをコントロールでき、また、アライナーがカチッと入っていく感触を得られています。アライナーを短い期間で交換する場合、計画通りに歯が動いていないとアライナーがなかなか入らないのですが、「VPro」を用いるとびっくりするぐらいアライナーがスムーズに入っていきます。 「VPro」は先生方が立てた計画をサポートしてくれるツールになると思います。 ですから、今後、新規開業する際はアライナー矯正が必須の診療項目になると思いますし、そのためにとくに若い歯科医師の方々は全員、アライナー矯正を勉強しなければならないと思います。幸い、今はそういうことが勉強できる書籍や雑誌、ソーシャルメディアがたくさんあり、デンツプライシロナ社をはじめとした企業群もアライナー矯正に関連する学習コンテンツをたくさん提供しています。 そうして、歯科医師の皆さんが日常的に行う治療や治療計画のなかに、アライナー矯正が当然のように入ってくる……。そんな時代が来ることを私は期待しています。  学術面では、以前は私も含め、“アライナー矯正では治療ができない”といわれる矯正難症例にアライナー矯正で挑むなど、マルチブラケット矯正による治療の質に追いつき追い越せという“チャレンジな治療”に一生懸命だったような気がします。  しかし、コロナ禍を経た今は、たとえば治療期間の短縮、来院回数の削減など、患者さんの快適性を上げられるような“スマートな治療”が模索されているように感じられ、新しい装置や材料の開発も、このことを重視して行われるのではないかと私は感じています。  先ほど話題に上がった「VPro」は、まさに“スマートな治療”の一助となる製品ですね!デンツプライシロナ社にはこのような魅力ある製品開発を今後も期待しています。図1a 一定の高さで歯肉に沿わせるストレートタイプ。(図はデンツプライシロナ社より提供)図1b 歯肉縁に沿ったスカラップタイプ。(図はデンツプライシロナ社より提供)図3 上下顎のフルアーチに対して同時に振動を与えることができる製品デザインとなっている。患者さんが扱いやすいコードレス仕様。(図はデンツプライシロナ社より提供)図4 患者さんが自宅等で1日5分間使用することでアライナーの適合が向上、アンフィットの不快感軽減や患者さんのコンプライアンス向上にも寄与する。「SureSmileアライナー」の「コンプリート(フルサービス)」をオーダーすると1症例ごとにVProが1つ付属(無料)してくる。(図はデンツプライシロナ社より提供)図2 「SureSmileアライナー」では、症例ごとに歯への保持性や審美性等を考慮して、上下顎別やステージごとにトリムラインを選択することができる。ストレートタイプの高さは0~2.0mmの範囲で細かく0.1mmずつ調整が可能。(図はデンツプライシロナ社より提供)アライナー矯正は“チャレンジ”から“スマート”な治療へQ3P R

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