クイントオーラルインフォメーション2024
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木村英隆 (特非)日本臨床歯周病学会瀧第42回野年次裕大会行大会長(特非)日本臨床歯周病学会理事長――日本臨床歯周病学会は、会員向けの研究発表や講演会などの開催、学会誌などの発行だけでなく国民向けの情報発信も積極的に取り組まれています。なかでも日本歯周病学会とのコラボレーション企画の動画は好評のようですね。木村:本学会は2022年、国民に向けた歯周病啓発の周知と口腔ケアに役立つ情報発信を目的に、日本歯周病学会との共同事業で歯周病予防をテーマにしたアニメーション動画『にゃんかむちゅ〜』を制作し、公式YouTubeチャンネルで配信させていただきました。おかげさまでたいへん好評でして、現在は全11話を配信中です。 この歯周病啓発動画は、歯科医院ホームページへの掲載(YouTube埋め込み)、待合室などでの放映で利用可能です。この動画をつうじて、歯周病の怖さや歯周病検査の重要性を知ってもらいたいと考えています。また、動画だけでなくLINEスタンプやチラシ、ぬりえ(会員に限らず自由に印刷・配付可能)も用意(図1)していますので、子どもから大人まで年齢を問わず、国民に歯周病啓発を図るためのさまざまな場面でぜひともご利用いただければと思います。――木村理事長の任期は残り1年となりました。任期中に注力したいことについてお聞かせください。木村:歯周病の予防・治療を行うことで、全身のさまざまな病気のリスクを下げることが可能となっています。特に歯周病は、以前から糖尿病の合併症の一つといわれ、令和6年度診療報酬改定に関しても、糖尿病患者に対して歯科受診を推奨することを要件とする「診療情報等連携共有料2」が評価されるなど、医科と連携することが望ましいとされています。先ほど述べたように、国民だけの情報発信にとどまらず他の医療従事者にも積極的な情報共有が大切だと考えています。 そのようなことも鑑み、任期中に成し遂げたいといいますか、力を入れたいこととしては、やはり学会会員や認定医、指導医を増やすことですね。当学会の会員数は5,100名を超えていますが、会員数の増加は組織力の強化ならびに成長・発展につながると考えているからです。ここ数年は毎年100名を超える新規入会者がいますし、後ほど瀧野先生より詳しく説明していただきます年次大会を含めたイベントをとおしてさらなる入会促進を図りたいと思っています。 今までの事業を継続しながらも、より会員の皆様にとって有意義な学びの場を提供できるような魅力的な組織づくりを目指し、ともに研鑽にできる仲間を増やしていきたいと思います。そして、本学会から多くの先生方が国民の健全な口腔環境を守るための認定医、指導医、歯周インプラント認定医、歯周インプラント指導医を取得する流れを醸成したいです。 40年の歴史を大切にしつつも、新しい取り組みを取り入れることで多種多様な社会変化に対応できる組織を構築したいと思います。 日本を代表する著名な歯周治療の臨床医をはじめ、開業医から病院勤務の歯科医師など5,100名以上の会員を擁する特定非営利活動法人日本臨床歯周病学会。歯周治療の研鑽をつうじて歯科臨床の向上に努め、国民の健康、福祉の増進に寄与することを目的としてさまざまな活動を行っている。きむら・ひでたか1990 年、九州大学歯学部卒業。同年、船越歯科歯周病研究所勤務。1999年、木村歯科歯周研究所開業。2014年、医療法人木村歯科移転開業。2018年、九州大学歯学部臨床教授就任。2023年4月より現職。 本欄では、学会として国民に向けた歯周病啓発・周知への取り組みと、きたる2024年6月15日(土)、16日(日)の2日間、大阪において開催が予定されている第42回年次大会について、日本臨床歯周病学会理事長の木村英隆先生と年次大会の大会長を務める瀧野裕行先生に語っていただいた。22QUINT ORAL INFORMATIONクイント・オーラル・インフォメーション国民に向けた歯周病啓発・周知への取り組みアニメ動画『にゃんかむちゅ~』の活用学びの場の提供と魅力的な組織づくり会員数増加=組織力の強化を目指して大阪・関西Perio万博2024が開催!歯周治療とインプラント治療の行く末を描く大会に――きたる2024年6月15日(土)、16日(日)の両日、大阪国際会議場において日本臨床歯周病学会第42回年次大会が開催されます。理事長ならびに大会長それぞれのお立場から本大会の特徴や見どころについてお聞かせください。歯周病啓発・周知へのさらなる取り組み

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