クイントオーラルインフォメーション2024
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 従来の口腔内スキャナーの撮影範囲は歯1本か2本程度でした。そのため、フルマウスのスキャンには時間と労力を必要としました。われわれはより広範囲に複数の角度から同時に撮影できる方法はないだろうかと考えました。 従来の方法では、より広い視野をとらえるためには、ワンドの胴体により多くの光を通す必要があり、そのためワンドのサイズは大きくなりました。逆にいえば、ワンドを小さくしたいなら、撮影範囲と精度は妥協せざるを得ませんでした。 この問題を打破するために、小さなワンドでも広範囲に撮影できることを実現するために生まれたのが “iTero Multi Direct CaptureTM(MDC)テクノロジー”です。ワンドに光を通すのではなく、先端に6台のマルチアングルカメラを配置することで、広い撮影範囲の獲得と複数の角度から同時に撮影することができ、1度に多くの歯列を速く精確にスキャンすることが可能になりました。次世代のスキャナーとしてiTero LuminaTMはこれまでのiTeroエレメントⓇ口腔内スキャナーと何が違うのでしょうか?12 さる2月25日(日)、ベルサール神田(東京都)において、インビザライン・ジャパン株式会社の新製品発表会イベント「Innovation of iTero 2024 iTero LuminaTM」が開催されました。本欄では、同製品の開発担当者でありiTeroTM口腔内スキャナー部門を率いるGilad Elbaz氏に製品の特長と技術面での進化を、また、本イベントで演者として登壇された賀久浩生氏に臨床歯科医師の視点から、iTero LuminaTMが日常臨床にもたらすイノベーションについて伺いました(編集部)。当社独自開発の新しいスキャン技術によって、ワンドの小型化・軽量化はもちろん、人間工学に基づいたより快適で精度の高いスキャニングを実現しています(Elbaz氏) iTero LuminaTMはiTeroエレメント5Dのワンドに比べて、50%小型化1、45%軽量化されています。同時に、撮影範囲(FOV)は3倍拡大2し、スキャン速度は2倍3に、最大撮影深度は1.5倍(15mmから25mmに)になりました。また、光学技術とソフトウエアの進化により、口腔内写真と同等のリアルな3D画像を提供できるようになりました。さらに、これまで困難だった口蓋、歯の欠損部、部分萌出や叢生などの難しい部位の印象採得が容易になりました。 スキャニングの操作も、人間工学的に配慮した快適性を追求しました。つまり、iTero LuminaTMを使えば、だれでも高精度の口腔内スキャンを簡単に、ストレスなく、スムーズかつスピーディーに行うことが可能になるのです。そしてこれらの進化を可能にしたのが、われわれが6年の時間を費やして研究開発した“iTero Multi Direct CaptureTM(MDC)テクノロジー”です。これまでのどの口腔内スキャナーとも異なるスキャン技術です。広い範囲を複数の角度から瞬時にとらえることができます(Elbaz氏)そして、ワンドに光を通す必要がなくなったことで、ワンド本体を小さくすることもでき操作性も上がりました。 この先進的なテクノロジーがもたらす快適なスキャン体験をぜひ臨床で味わっていただきたいです。撮影範囲(FOV)を3倍に拡大²、最大撮影深度25mmの設計で、口蓋、歯の欠損部、部分萌出や叢生などのスキャンが難しい部位の印象採得が容易になりました。QUINT ORAL INFORMATION新しく搭載されたiTero Multi Direct CaptureTM(MDC)テクノロジーについて教えてくださいクイント・オーラル・インフォメーションQ1Q2Gilad ElbaziTero LuminaTM開発担当Senior Director, Imaging Systems Segment Leader, iTero, Global開発者が語る“iTero Multi Direct CaptureTM(MDC)テクノロジー”誕生秘話 &臨床歯科医師が実感するiTero LuminaTMのパフォーマンスがもたらす新たな価値―

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