2022年 歯科医療における感染制御スタンダード 巻頭特集117参考文献 1. Gamio L. The Workers Who Face the Greatest Coronavirus Risk . The New York Times. https://www.nytimes.com/interactive/2020/03/15/business/economy/coronavirus-worker-risk.html(2021 年11 月16 日アクセス).当院のデジタル矯正(アライナー矯正治療)のワークフロー① 矯正相談当院では必ず口腔内スキャナーで採得した画像を用いて、将来の歯並びのシミュレーションを患者さんに提示している(a)。歯が変化するイメージを共有することで、精密検査まで希望する患者さんが多い。② 精密検査・資料採得口腔内写真やパノラマエックス線写真、患者さんの顎位やボーンハウジングを診るためのCBCT、審美診断・咬合平面の確認のための顔貌写真などを採得し、精密検査を行う。③ 診断・治療計画立案Invisalignのシミュレーションソフト(ClinCheck)では歯冠しか表示されない(b)。そのため術者が無理な移動がないか、歯根がボーンハウジング内に収まるか細やかにチェックする。④ カウンセリング・治療計画説明リモートでの患者さんへのカウンセリング・治療計画説明は、診療時間以外や遠方の患者にも行っている。治療で連携しているトリートメントコーディネーターや歯科医師などとによるミーティングも可能(c)。⑤ 治療スタート・モニタリングアライナーが到着したら、歯科医院でIPR(歯間削合)とアタッチメントを付与し治療スタート。モニタリングはオンライン上で行い、ステージ変更前には患者さんに口腔内写真を撮影してもらう(d)。⑥ 追加アライナーによる治療歯の動きが悪くアライナーの浮きが確認できた場合、その量が1mm以下であれば装着期間を延長してもらう。1mm以上の場合は、追加アライナーのために来院していただいている。⑦ 動的治療終了・保定・定期検診治療のフィニッシング時も必ず口腔内スキャナーで印象を採得する(e)。この動的治療終了後の3Dスキャンデータを残すことで、保定期間中に多少後戻りが生じてもリテーナーの再作製が可能である。a アウトカム・シミュレーターとSmile Viewを用いた矯正相談b ClinCheckによる治療計画立案c Zoomによる治療計画ミーティングd Invisalign Virtual Careによるモニタリングこれまでは歯科医院に出向いて患者さんと対面カウンセリングを行う必要があったが、Zoomやマイクロソフトチームズなどの会議ソフトによって遠隔でカウンセリングから契約締結まで行うことが可能となり、感染予防に役立つ!画面上ではあるが、コロナ禍でも患者さんと顔を合わせて話ができるデジタル技術は近年の状況がもたらしてくれた恩恵のひとつである。動的治療中のモニタリングも患者管理ソフトを活用して遠隔で行うことができ、感染予防に役立つ! メールやSNSで患者さんを招待することにより、口腔内写真やアライナー交換日などの管理が可能となる。現在もっと効率的なモニタリング方法を考え中。e 動的治療終了時のiTeroによる光学印象採得矯正歯科治療の相談に来院した患者さんにはその日のうちに無料相談、精密検査、資料採得を行う。これはデジタルだからなせる技で、短時間で終了でき、感染予防に役立つ!各社診断ソフトウェアにて必要なデジタルデータがそろっていればいつでもどこでも診断や治療計画の立案ができる。遠隔にて他の歯科医師に対する治療計画のアドバイスなども可能。外勤や対面でなくても仕事を進めることができ、感染予防に役立つ!
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