デンタルアドクロニクル 2022
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28Quint Dental AD Chronicle 2022「審美」「強度」「スピード」すべてを兼ね備えたブロック――まず、佐々木先生が長年にわたりCAD/CAMシステム「CEREC」を活用されてきたなかで、CAD/CAMブロックの変遷についてご意見をお聞かせください。佐々木:私は2006年からCERECシステムを臨床に応用して15年以上になります。2000年に発売されたCEREC3の時代には、使用できるセラミックブロックは非常に少なく、私が使い始めた頃は、CERECブロックもなく他社製のガラスセラミックブロックが2種類しかありませんでした。その後、デジタルデンティストリーの進展とともにCAD/CAMシステムが普及しはじめ、セラミックはインレーやアンレーだけでなく、臼歯部から前歯部にまで使用していくなど需要が増え、2008年あたりから高強度ガラスセラミックが発売されはじめました。高強度ガラスセラミックは、単冠用としては大臼歯や小臼歯、前歯部にも使用でき、もちろんインレー、アンレー、クラウン、ベニアが製作できる非常に使い勝手の良いマテリアルです。近年では、さらに強度を増したジルコニアが話題ですが、単冠だけでなくブリッジにも使用できるようになってきました。 そこで、今回はデンツプライシロナ社から新発売された「CEREC Tes-sera(以下、テセラ)」(図1)をいち早く導入させていただいていますので、後述する臨床例も交えながらお話しさせていただきます。まず、数多くあるCAD/CAMブロックの中で「テセラ」がどのような位置にあるかといいますと、高強度ガラスセラミックに分類さ図1 CAD/CAMブロック「CEREC Tessera(テセラ)」。高強度ガラスセラミックガラスセラミックCAD/CAMセラミックブロックガラスセラミック酸化セラミックガラス浸潤型セラミックジルコニアニケイ酸リチウム強化型ガラスセラミックアドバンスドニケイ酸リチウム強化型ガラスセラミックジルコニア強化型リチウム-ケイ酸ガラスセラミックリューサイト系ガラスセラミック長石系ガラスセラミック図2 セラミックブロックの分類。CAD/CAMブロック「CEREC Tテセラessera」「美・強・速」のさらなる追求へ佐々木英隆 2021年9月21日、デンツプライシロナ株式会社(佐伯広幸代表取締役社長)からCAD/CAMブロック「CERECTテセラessera」が発売されました。 本製品は、ガラス状のジルコニアマトリックスの中に、2つの相補的な結晶構造(ヴァージライト、二ケイ酸リチウム)を組み込んだ独自の技術が採用されています。この2つの結晶構造のはたらきによって1つのブロックの中で強度と審美が結合することで、トータルの製作時間の大幅な短縮が可能となりました。 本欄では、本製品をいち早く導入して臨床応用に取り組んでいる佐々木英隆氏(東京都開業)に、製品の特徴について実際の臨床例と併せて解説していただきます。(編集部)※本記事は「新聞クイント」2021年11月号より抜粋して掲載。

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