デンタルアドクロニクル 2022
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34Quint Dental AD Chronicle 2022デジタル歯科矯正の可能性矯正治療のパラダイムシフト――先生方はなぜ、デジタル矯正に着目されたのでしょうか。その理由についてお聞かせください。三林:デジタル歯科矯正は、歯科用コーンビームCT(以下、CBCT)などを用いて三次元の治療計画の立案が可能となりました。今までのように二次元での矯正治療の限界を克服した治療計画の立案だけでなく、ロボット工学やCAD/CAM、AI、仮想空間(メタバース)といったデジタルテクノロジーを融合することにより、診断と治療が一体化した新しい矯正治療のパラダイムシフトが起きています。矯正治療は予測の治療であるがゆえ、デジタル化することによって従来の模型とセファロ分析を中心とした診断から、より患者さんの生体に適した矯正治療が提供できると感じています。中嶋:矯正治療では、側面セファログラム分析が最低限必要とされています。私の場合、まずこれに対する疑問から始まりました。セファログラムの標準値は、いつの時代のデータから導き出されたもので、いつまでこのデー三林栄吾中嶋 亮 矯正歯科治療の1つとして、デジタル技術を活用したアライナー矯正システムの隆盛はとどまることなく普及しつづけています。急速に普及している一方で、カスタムメイドのアライナー型矯正装置を使用した不適切な矯正治療に警鐘を鳴らす矯正歯科医も少なくありません。 そのようななか、2021年6月に日本市場で発売を開始した「SureSmile」(デンツプライシロナ社)は30年以上の歴史と実績を有するシステムとして、ユーザーから高い評価を得ています。 本欄では、デジタル矯正治療に造詣が深く「SureSmile」ユーザーでもある、三林栄吾氏(愛知県開業)、中嶋 亮氏(東京都勤務)に臨床における優位性と今後の可能性についてうかがいました。(編集部)デジタル矯正システム「SureSmile」臨床における優位性と今後の可能性三林栄吾 みつばやし・えいご1987年、愛知学院大学歯学部卒業。同年、神奈川歯科大学総合診療科。1989年、神奈川歯科大学矯正科。1992年、みつばやし歯科・矯正歯科クリニック(愛知県豊明市)開院。現在、(一社)日本デジタル矯正歯科学会理事長も務める。アライナー矯正治療の知識や技術を習得するための生涯研修の場が必要※本記事は「新聞クイント」2022年2月号より抜粋して掲載。

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