特別座談会 「Cresmile」で予防歯科をすべての人ににも依存しますが,電動歯ブラシであれば少々不器用な患者さんでも適切に落とせますし,確実にケアができるのではないかと思います.歯科衛生士の立場ではいかがですか?森田 矯正患者さんにはまず「プラークコントロールがなぜ重要か?」という教育を行います.矯正によるテンションで骨の吸収と添加が行われているため,細菌感染が起こると歯周病がより進行しやすくなるからです. 具体的なセルフケアとしては,私はソニッケアー(図5)で指導することが多いです.1分間に31,000回という高速振動によりプラークを除去しやすく,矯正患者のセルフケア用品のファーストチョイスとしてソニッケアーを推奨しています.ソニッケアーを導入いただけない方には,タフト形状のものや歯間ブラシを使ってもらいます.矯正装置は複雑な構造のため,具体的な使い方については患者さんと一緒にチェアで確認しながら指導しています.予防という観点から補綴装置を考える時代に――つづいて,歯科技工士であり歯科衛生士でもある西村先生から,補綴や技工の側面から予防に関してお話を伺えたらと思います.西村 予防については,10年前に歯科衛生士のライセンスを取得してから,随分と意識が変わったように思います.歯科技工士の立場だけで考えていた時は,縁の遠い部分に感じていたところがありましたが,現在では,自分が携わった30年くらいの症例経過やさまざまな経験から,補綴装置セット後に再び悪化することを防ぐという意味において,メインテナンスによる予防の重要性を感じています. より良い補綴治療を行うためには,歯科医師・歯科技工士・歯科衛生士がチームとして,しっかりとアプローチを行うことが必要です.チームとして,補綴・技工の面から予防を考えると,補綴装置がセットされた後のメインテナンスまで配慮し,咬合や清掃性についてしっかりと考慮されたケアしやすい補綴装置の形態であることが大切なのではないでしょうか.かの判断が非常に難しく,われわれ臨床医の頭を悩ませていますが,その介入時期をダイアグノデントペンで数値化できれば「数値がこうなったら,治療しましょう」と患者さんに言える安心感があります.今まで経験や勘に頼っていた部分ですが,もうそういう時代ではありませんね.沖田 また,リスク管理という点では,POs-Ca F(図4)を患者さんに勧めるようにしています.ワイヤー矯正ではガムで装置が外れることがありましたが,POs-Ca Fではそのようなこともなく,患者さんにも好評です.天野 矯正治療中はやはりブラッシングが大切です.プラークをいかに効率よく除去できるかは個人のテクニック図3 光学式う蝕検出装置“ダイアグノデントペン”[製造販売:カボデンタルシステムズ(株)].図4 デンタルガム“POs-Ca F”[製造:江崎グリコ(株)].図5 歯科用超音波式電動歯ブラシ“ソニッケアー”[輸入元:(株)フィリップス・ジャパン].沖田直也兵庫県西宮市・さくら夙川駅前おきた歯科副院長/矯正担当歯科医師西村好美大阪府茨木市開業・(有)デンタルクリエーションアート会長歯科技工士/歯科衛生士50
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