デンタルアドクロニクル 2022
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特別座談会  「Cresmile」で予防歯科をすべての人に【ご案内】 今回座談会にご参加いただいた先生方には,下記の媒体にて,引き続き予防歯科をテーマに,それぞれのお立場から「より深く」「より熱く」語っていただく予定です.『DMR』 No.235(3月下旬ごろ全国の歯科医院様にお届け予定)院長必見! 予防歯科が「うまくいく」スタッフ教育法とは?(仮)天野敦雄先生:大学教育の現場から見た若い世代への教育方法若林健史先生:予防歯科を成功に導く環境づくりとスタッフ育成これからの歯科医療の方向性と展望手が不自由になったりしますので,どうフォローしていくかも重要です.電動歯ブラシを勧めたり,あるいは歯科医院で定期的なプロフェッショナルケアを受けることを伝えていきます. 一方で,子どものときから家族全体で口腔管理できるような流れがあればよいと思います.そのサポートとして,データ管理をはじめとした歯科医院のDX化(デジタルトランスフォーメーション化)が必要だと思っています.天野 アカデミアの立場からは,未来はもう少しはっきり見えます.唾液を採るだけでその方のバイオフィルムの病原性がわかったり,マウスピースをくわえるだけで音波が出て勝手に歯を磨いてくれるような時代がくるでしょう. さらに進むと,口腔内を理想的な菌叢にするために小さい頃から良い菌を植えていきます.歯科医師の仕事は,コツコツと良い菌叢ができつつある患者さんと歯科医院の二人三脚で――最後に,今後の予防歯科に関して,お一人ずつコメントをいただけたらと思います.西村 超高齢社会の日本で,健康寿命を延伸するには,オーラルフレイルへの対応を含め口腔の健康が絶対条件になってくると思います.そこを進化させるには,先ほど言ったようなデジタル化が鍵を握っていると思っています.森田 私たち歯科衛生士は今までう蝕と歯周病に重きを置いて予防していたのですが,「8020」も50%達成している現状において,高齢者が歯をいかに長く,健康な状態で維持していくかということが,今後歯科衛生士に求められる命題であると思います.歯を守ることに加えて,口腔機能の維持も視点としてもちながら,患者さんに対応していきたいと思っています.沖田 人生100年時代,これからは100年間歯を保存しないといけない時代になってきています.歯をいかに残すかを考えると,早期接触などの干渉があると咬合力で歯が破折してしまったり,骨吸収を起こさないためにも,見た目だけを直す目的の矯正治療ではなく,長期的な歯の予防という観点から患者さんの噛み合わせを治していければと思います.若林 健康寿命を延ばすという意味で,予防はとても大切です.高齢者はか,それとも何か変なものを食べて菌叢が乱れていないかといった「菌の管理」になります.中高年で悪い菌叢の人は,便移植と同じようにプラーク移植,バイオフィルム移植ができる技術が完成していると思います.もはや歯科は内科となり,その中心は歯科衛生士かもしれません. 予防歯科の勢いは止まることはありません.「防ぎ・守る」「患者も主治医」をキーワードに,ぜひ全国の歯科医院で実践していただければと思います.――本日は,「Cresmile」を中心とした予防歯科に関して,先生方からさまざまな切り口でいろいろお伺いすることができました.「患者も主治医」ということで,患者さんと歯科医院が二人三脚で取り組んでいくために,モリタ社が提供するシステム,各種製品は大いに参考になるのではないかと思います.本日はありがとうございました.56

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