4情報リテラシーの時代の歯科出版社として 2022年もまたコロナ禍で幕を明けました。新型コロナウイルスへの対応やワクチン接種等々に対する考え方については詳述しませんが、諸外国と比べて経済への打撃がけっして少なくないのが日本のようです。闇雲に危険だと騒ぐ・煽るのではなく、一人ひとり、その本質を見つめて向き合っていくことが重要かと考えます。 弊社も歯科を中心とした出版物のみを扱っているとはいえ、マスコミの一員です。情報発信にはいっそう気を引き締めていきたいと思います。 情報リテラシーとは、文字を読み書きする能力を意味するリテラシー(literacy)から派生したとのことで、情報を読み解き活用する、情報技術を使いこなす能力と言われています。このほかにもコンピュータリテラシー、メディアリテラシー、ヘルスリテラシー等々、いろいろな使われ方があります。 デジタルトランスフォーメーション(DX)の時代といわれる現在、情報提供のあり方も大きく変わってきました。たとえば弊社では、これまで8回開催してきた日本国際歯科大会とホームページ以外、読者の皆様への情報提供は紙媒体が大きな手段でした。しかし、コロナ禍2年目に突入した昨年、2021年1月からは、新聞クイントONLINE(図1)、Facebook LIVE「Quinthouse」(これまで50回開催、YouTubeでも視聴可能、図2)、Quintessence Webセミナー(これまで18回開催、図3)、LINE、InstagramをはじめとするSNSによる情報提供を積極的に取り入れてきました。デジタルを活用した情報提供の良さはその手軽さと速攻性にあります。オンタイムで個々のスマホ、タブレットに通知情報が溢れるなか、歯科界だけゆっくりとした時間が流れているわけではないのです。 その反面、書籍・雑誌では、動画や一部PDFダウンロード可能コンテンツ、コロナ関連無償提供論文等を除けば、いまだ紙の誌面が大半です。その理由の1つに、デジタル化した途端、その情報の価値が下がるという現実もあります。専門書にあてはまるかはわかりませんが、電子媒体にした途端に違法ダウンロードがなされ、海賊版が出回る。漫画や音楽の違法ダウンロードによってどれだけ著作者や企業(出版・印刷・流通・書店等々)が深刻なダメージを受けているのか? これは皆さんも御承知のとおりで、もはやリテラシーの問題では済まされないのです。歯科医療という国民の健康に直結する貴重な情報、臨床やエビデンス、医業経営の情報を、編集者や編集委員の先生方の目も通さない垂れ流しの情報と一緒にされたくないという思いもあります。しかし、時は流れ、時代はススム。先生方のニーズにはお応えしたい! そのターニングポイントを見据え、今後もより良い情報提供に注力していきたいと思います。紙とデジタル媒体の融合により、真に先生方のお役に立てるよう努めます。 東京オリンピックの影響で1年間延期した弊社主催「第9回日本国際歯科大会・ワールドデンタルショー2023」が2023年9月29日(金)、30日(土)、10月1日(日)にパシフィコ横浜にて開催予定です。コロナ禍で培った「クイントの力」を先生方にもぜひ、現地にお集まりいただき、ご覧いただければと思います。楽しみにお待ちいただければ幸いです。 本年も社員一同、確かな情報発信に努めますので、よろしくお願いいたします。クインテッセンス出版株式会社 代表取締役社長北峯康充図1 新聞クイントONLINE。図2 Facebook LIVE「Quinthouse」。図3 Quintessence Webセミナー。
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