88巻頭特集3辻村 傑JAID副会長、神奈川県開業: つじむら歯科医院 JAIDが発足してからの10年、国民がわれわれ歯科医療に求めるものが大きく変化してきたことを実感しています。 それは現代を生きる誰もが健康長寿を望むようになったことです。そのため、これまで行われてきた目の前の病気を治す歯科医療から長期安定性の高い歯科医療が求められ、全身疾患を抑制・予防し、健康寿命を延伸していくことへの可能性が広がりました。予知性の高い歯科医療の提供がクライアントの生活習慣の改善など積極的な行動変容を起こすことにつながる医学となりえるということです。 私のこの10年における主たる活動はJAIDのグローバルな資質を活かしてUSCのCEコースを4期とおして実現でき、これから日本が歩むべき予知性を兼ね備えた予防歯科教育に取り組めたことです。私のライフワークである口腔内細菌叢の解明でもゲノム解析を用いたコホート研究にて一定の成果が得られ、予防医療との相互リンクが目前です。今後JAIDとして提供していく予防歯科教育に反映させていくことを目指しています。米本久史JAID常務理事、東京都開業: 赤坂歯科クリニック JAID10周年、早いものですね。10年前の私はただがむしゃらに仕事をし、仕事が終わると飲みに行くという毎日を送っていました。20代には積極的に研修会などに参加していましたが、いつの間にかその機会も減り、同時に行き詰まりを感じていたのを覚えています。 何かをしなければと思っていた矢先に、USC短期留学コースを目にし、興味本位で参加しました。参加して驚いたのは経営的に成功している先生がほとんどで、学術的にも目から鱗の刺激的なプログラムでした。 コースに参加した志の高い先生が集まってJAIDが発足し、私も参加したことで多くの海外研修、学会で学べました。おかげで臨床の幅が広がり、医院経営にも大きな変化をもたらし、この10年の間に4医院を開業しました。経営者としての悩みも多くなりましたが、JAIDで知り合った仲間に相談することができ、私にとって大きな財産です。今後もJAIDの活動の中で学び、多くの患者さんに最善の医療を提供したいと思っています。中島航輝JAID常務理事、東京都開業: 医療法人社団世航会 10年前の2011年、米国で活躍されている清水藤太先生に憧れてUSC三期に単身参加しました。そこでJAIDの尊敬すべき先生たちと出会い、JAIDへの参加を決めました。多くの先生が私より歳上ですが、いつも温かく接していただき感謝しています。特に、五十嵐 一先生には学術面だけでなく、精神面でもご指導いただき、本当にこの会に入ってよかったと感じています。 最近ではJAIDの執筆活動にも参加させていただいています。『アライナー矯正歯科治療』では6章の翻訳を担当、『ゼロボーンロスコンセプト』では14、15章の翻訳を担当、『まずはこの一冊から!はじめてのホワイトニング』では主にオフィスホワイトニングとガムピーリング、メインテナンスを執筆させていただき、大変勉強になりました。 JAIDは専門分野を積極的に広げ、知識を学んでいくという柔軟性を有しており、すばらしく感じています。岩城正明会長はじめ、他の会員の皆様、今度ともよろしくお願いします。設立10周年を振り返って ―役員の声―
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