90巻頭特集3LAでの遭遇 2018年3月LAで行われたA O(Academy of Osseointegration)へ参加したのは開業前の休暇、LA在住の歯科医師との再会が楽しみでした。以前より交流があった森本太一朗先生から食事会に誘ってもらい多くのJAIDメンバーの方々に会う機会をいただき、開業前の英気を得たのを思い出します。当時、現在に至るまでのことは想像にできませんでした。潮流を見る 自院の診療を始め1年、インビザラインのJAIDクローズドセミナーに参加する機会をいただきました。セミナーの後アライナー矯正治療の導入を決め、補綴治療と矯正治療の連携した治療提案を提供することが可能になりました。アライナー矯正治療に限らず多岐にわたる歯科治療技術の率直な意見聞き、歯科業界のトレンドを感じる良い環境でした。学術書への参画 私がはじめてJAIDで担当させていただいた仕事が2019年のSandra Tai著『アライナー矯正歯科治療』でした。担当章ごとに翻訳を行い本の形になるまでの一部の工程を担当させていただきました。矯正の専門用語を調べて理解するという作業を繰り返し、自分で決めた到達箇所を終える時には朝日を望む時間になっていたことを思い出します。2020年には Tomas Linkevičius著『ゼロボーンロスコンセプト』の翻訳に参加し、新たな英知を得ることができました。それは翻訳が故の困難でした。他人が読めば違う理解をしてしまわないようにより明確にまた翻訳言葉の統一、全体のつながりを持つことでした。何度と編集会議を行うメンバーとクインテッセンスの編集者がそこにはありました。具現化する周りの環境 日常の診療からあらたな取り組みを行うときには規模に応じて準備と覚悟が必要になりました。開業して間もない先生方の中にも導入するタイミングを見誤りたくないと思う方もいらっしゃると思います。わたし自身も適切なタイミングでの導入を図りたいと思っています。JAIDには先んじて導入されている先生がいらっしゃいます。導入した感覚、準備に必要なことをご教授いただきました。 なかでも顧問の五十嵐 一先生にはインプラント診療上におけるスキル向上のための環境づくりには全身管理を歯科麻酔科医と協力して行うことが大切であるとお示しいただき、自院のオペ室設置および歯科麻酔科医の協力を得られることができました。 自身だけではあらたな取り組みをするまでにさらに長い月日がかかったのではないかと思っています。業界発展への寄与 JAIDに参加することで歯科医師と業界の関係を見ることができました。より良い歯科医療を提供したいという意志とマーケットをつなぐには臨床のトップランナーと業界の良い関連性が必要であると実感しました。商品の紹介ではなくユーザーフレンドリーな技術進捗と導入の動機が必要であることを訴求したJAIDの活動は、今後の歯科医療に良い効果を生み出すことが明確であると体感しています。楽しんで参加させていただいています。JAIDに出会って ―新人会員の声―今井 遊JAID会員、福岡県開業:友デンタルクリニック編集会議風景。オペ室にて。左:筆者、右:北村翔子先生(CDAC所属フリーランス歯科麻酔認定医)。
元のページ ../index.html#92