93Quint Dental AD Chronicle 2022歯科における「デジタル化」 歯科領域でデジタル化、DX化を進めるためには、決して少なくないコストがかかるのは承知のとおりです。せっかくシステムや機器を導入しても、その製造会社が撤退することもあります。失敗しないためにも、導入する前に「どのような目的で導入するのか」「どの会社の製品を導入するのか」などを含めた情報が必要となります。 また、いくら便利であっても歯科医師をはじめ、スタッフが理解していないと、良い医療を提供することはできません。つまり、良い歯科医療を提供し続けるためには、われわれMID-Gのコンセプトそのものである「学術」「教育」「経営」のバランスが重要であり、デジタル化の進行によって、それらがあらためてクローズアップされていると実感しています(図1)。MID-Gから発信する「デジタルコース」と「TC学校」 前述したデジタル化、DX化の流れをふまえ、MID-Gでは2022年度から「デジタルコース」を開始します(詳細は100ページのデジタルコース紹介ページ参照)。実はすでにMID-G役員向けにプレコースを開催しておりますが、まさにこれから必要な情報が満載となっています。 また、MID-Gでは、デジタルコースに加え、2022年度から「T C(treatment coordinator)学校」というコースの開催も予定しております。TCとは、術者と患者様の間に立ち、両者にとって満足のいく治療を進めるための調整役を行うことであり、その際に患者様へ行う治療説明はとても重要となります。治療説明の目的は自費診療を勧めるためのものではなく、患者様のデンタルIQを1段階上げることです。それが結果的に自費診療につながることもあります。 治療説明をするスタッフ養成には時間もかかりますが、TC学校では、MID-Gの最高顧問である荒井昌海先生が開業されているエムズ歯科クリニックでの教育システムを公開し、経験のあるトレーナーによって短期間で成長を目指すコースとなっています。代表理事の4年間で感じたMID-Gの役割 私のMID-G代表理事としての任期は2022年3月までとなり、あとわずかになりました。MID-Gの目的は、最高の歯科診療を行う環境づくりであり、繰り返しになりますが、「学術」「教育」「経営」のバランスを大切にしてきました。MID-Gのコース受講をされた、あるいは検討いただいた先生方にとって、MID-Gのコースは、大型医院や分院展開する医院の先生方が受講するイメージが強いかもしれません。 しかし、私としては、地方の小規模医院であってもMID-Gの学びが役立つということをお伝えしたいと考え活動してきました。任期の後半はコロナ禍で十分な活動はできなかった部分もありますが、少し前に比べ、MID-Gのコース受講のハードルを下げることができたと感じております。 また、国の医療政策の中心である田村憲久前厚生労働大臣や日本歯科医師連盟の山田宏参議院議員をお招きして興味深いお話を聴くことができたのは、大きな意義があったと考えております。大きく変化している時代では、確かな情報が必要となります。私の医院は地方にありますが、MID-Gのコースを受講してから、勤務医の採用、事務員の採用、デジタル機材導入、デジタル技工所設立など、ゆっくりですが時代の流れを取り入れることができました。これもMID-Gのコースに参加して、荒井先生はじめ役員の先生方、受講生の皆様とかかわりをもてたおかげです。 今後のMID-Gは栗林研治次期代表理事を中心によりアクティブに活動していきます。今後のMID-Gにますますご期待ください。ともに学びましょう。図1 MID-Gが提案する、最高の診療環境のために必要な3つの要素。学 術教 育経 営
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