療界に貢献することにある。つまり、臨床医が多いスタディクラブだからこそ、強い結束力で、会員の豊富な治療結果をまとめることを通じ、EBM:“Evidence-Based Medicine”をつくっていこうと考えている。まさに経験豊富な臨床医が多数参加するスタディクラブだからこそ臨床データを収集でき、国民に良質な歯科インプラント治療を還元できることになる。イエテボリ大のAlbrektsson氏を招聘した昨年末の大会 さる11月19日(土)、20日(日)の両日、品川シーズンテラスカンファレンス(東京都)において、DC21が2022年度総会・年次学術大会を現地開催し、120名強の参加者を得て盛会となった。 メインテーマに「インプラント周囲組織を臨床的に考える」を掲げた同大会は、会員発表4題、会員Dr.&DT Collaboration発表4題、特別講演3題、ランチョンセミナー1題、シンポジウム1題が非常に興味深い内容で披露された。 20日午前の特別講演は「インプラント周囲粘膜を専門医が臨床的に考える」をテーマに、大月基弘氏(大阪府開業)と辰巳順一氏(朝日大教授)が登壇。2018年のEFP&AAPによるインプラント周囲粘膜炎、インプラント周囲炎の定義が明確化されたことで、ティッシュインテグレーションの獲得の重要性や、インプラント周囲軟組織へのプラークバイオフィルム感染予防が語られた。 また、特別講演「インプラントの新しい方向性――周囲組織の温存を考慮したインプラント治療の科学的背景」では、重鎮のProf. Tomas Albrektsson(スウェーデン・イエテボリ大、右写真)が登壇し、インプラントの表面性状に対する考え方やアバットメントのムコインテグレーションについて詳説した。 さらにシンポジウム「抜歯を伴う前歯部少数歯欠損インプラント治療のDC21ガイドラインを考える」では、ヘンメルの分類(遅延埋入、待時埋入、早期埋入、即時埋入)を軸に、埋入時期の決定は? 骨・粘膜造成の併用は? 唇側骨の厚さやサルカス内からの立ち上がり形態は?などについて4名の演者の講演とディスカッションが行われた。DC21におけるインプラント治療ガイドライン作成の第一弾として本シンポジウムが行われ、今後、書籍としてまとめていくことが決定されている。インプラント治療の完成形を求めて――DC21の今後の展望 DC21では、会員にインプラント治療の知識および技術をベーシックからアドバンス、そしてトピックスまで習得してもらえるように考えている。そのため、インプラント治療の各分野の専門家である理事・評議員28名が会員の皆さんと「よりよいインプラント治療をめざして」症例検討や情報共有を進めていく。 昨年度は、2022年7月31日に西日本支部会を九州で開催、11月19〜20日には東京で総会・年次学術大会を開催した。今年度は、2023年7月29〜30日に東日本支部会を北海道で開催、2023年11月18〜19日に東京・品川で総会・年次学術大会を予定している。ぜひ多くの方に会員になっていただき、学術会に参加いただくことでインプラント臨床を上達させ、患者によりよい治療を提供してほしいと願っている。 インプラント治療が成熟し、デジタル化が進むなか、顧問の中村先生が提唱する「インプラント治療の完成形」を求めて、本会の今後の活動に注目してほしい。103講師が語るDC21の講演情報や入会方法はhttps://www.dc21.jp下記HPへ臨床力アップ に直結! 話題の研修・セミナー情報!
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