amaei NauhkayDr. Ry巻頭特集1-412No Dentistry, No Wellness! 継承と革新から創造する歯科の未来――先生はこの浜田山(東京都杉並区)で開業されて、お父様が運営されている内科や小児科(山中医院)、弟さんが院長をされている小児歯科(やまなかこども歯科)と密な連携を取られていると伺っていますが、まずは浜田山の地域性や特徴などを教えていただけますか?山中:わたしは地元である浜田山の小学校・中学校に行き、最終的にここで仕事をしていますが、子どもに対する教育がしっかりしている地域だと思います。私どもの医療法人のやまなかこども歯科は今年オープンしましたが、保護者がかなり親身になって子どもの口腔内状態を聞いたり矯正治療などをしたりしていて、モチベーションが高い方が多いと感じます。一方で、高齢の方も比較的いらっしゃるので、祖父母・親・子と3世代で通われる方もいます。当院(図1)では予防に力を入れているので、定期的に来てくれて「やっぱりここで治療してもらいたい」と言ってもらえることも多いです。そういった背景もあり、1階を少し広めに取って、歯科衛生士も1人1台ずつチェアを使う仕様にしてよかったと実感します。また、地元の一員として、地域でしっかり診て連携していくというつながりを持つのが昔から大事だと思っていて、今ようやくそれが定着しつつあります。 当院では保険治療も自由診療も行っていますが、割合的には自由診療の患者さんが多いです。逆に言うと、予防の大切さも痛感しているので、当院で積極的に予防を推し進めています。――先生の歯科医院において診療時の特徴はありますか?山中:診療の際、当院の入っているビルの1階にある血液内科の澤登先生(図2)のクリニック(ごきげんクリニック)と連携することがあります。外科診療前に血液検査をしたら、糖尿病がひどかったという事例もあったので、やはり患者さんの全身的な状態を見ながら治療していくことは非常に大事だと思います。結果的に、患者さんも自分の体の中をもう一度見つめ直す機会にもなります。 また、澤登先生のクリニックではアンチエイジングなどの診療もされてい山中隆平(やまなか・りゅうへい)2000年、昭和大学歯学部卒業、第一口腔外科入局。2003年、UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)留学、Advanced Implantology Preceptorship修了。2004年、 Periodontology Preceptorship修了。2006年、帰国後、昭和大学歯科病院口腔外科に勤務。2007年、東京ミッドタウンデンタルクリニック勤務。2011年、山中デンタルクリニック開院。2013年、医療法人社団ルークズスマイル理事長。日本口腔外科学会会員、Club GP 理事、gIDE Faculty Member。地元である東京都杉並区で自院を開院し、インプラント治療に傾注する傍ら、セミナーや講演活動を国内のみならず海外でも行っている。るので、当院でも、手術前後の患者さんや口内炎がよくできる患者さんに、適切なサプリメントをお勧めして全身ケアをすることがあります。澤登先生に勉強会を開いていただき(図3)、われわれもサプリメントを試してその効果を実感することができました。――先生の歯科医院でインプラント治療などの外科治療をされる際は、血液検査をお勧めしていますか?山中:そうですね。強いることはなかなか難しいのですが、全身的な値を見て治療を進めることの重要性を理解していただける患者さんに、積極的に検査してもらうようにしています。そういったところから、ふと基礎疾患や重篤な疾患が見つかるかもしれません。――やはり糖尿病や喫煙などが問題になることが多いですか?山中:そうですね。喫煙とインプラント治療の関係についてはさまざまなデータが報告されていますが、喫煙の影響でネガティブな要素が出てくることを歯科から言わないといけない時もあるので、検査は必要だと思います。 糖尿病に関してもデータを見ます浜田山の地域性や特徴他科との連携医科歯科連携で地域医療を活性化~地元でのより良い歯科医療を目指して~
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