No Dentistry, No Wellness! 継承と革新から創造する歯科の未来 巻頭特集1図1 当クリニックの外観。同建物には山中医院とごきげんクリニック浜田山があり、写真には写っていないが、隣の建物1階にはやまなかこども歯科と山中デンタルラボがあり連携治療を行っている。図4 全身的な精密検査が必要と思われる患者さんはニューハート病院で迅速に診ていただく。図2 当クリニックと医療連携しているごきげんクリニックの院長、澤登雅一先生。全身的なケアと予防を心掛けている。図5 当クリニックで行っているライブサージェリー。すべて動画はVisualMaxに保存している。図3 定期的に院内勉強会を行っており、全身的な疾患や口腔内との関連性など健康に関することをスタッフで学ぶ。図6 患者さんへの説明はわかりやすくすることをモットーにしている。VisualMaxは各チェアーにあり、直接モニターに書くことができてその場で印刷して患者さんにお渡しできる。また、スタッフ一同で統一性のある説明をしている。いところにさまざまな科があって、全身的に管理してもらえるというのは非常に安心できますね。――先生が開業されてから12年になるということですが、その間ずっと通われている患者さんの口腔内の変化が見えた事例はありましたか?山中:プラークコントロールをしているのに出血が多いなと思っていたところ、血液系の病気が見つかったことがあったり、血圧が意外と高かった時に検査してみたら高血圧症が判明したりしたこともありました。 長期間通われている理由としては、歯科衛生士が担当制で、患者さんと歯科衛生士・歯科医師の関係が保たれているので、来院する患者さんもすごく楽しみに来てくれているのだと思います。 また、当院では、「良くなっている」、「維持できている」ということをビジュアル化しています。VisualMax(ビジュアルマックス)というソフトをが、澤登先生はさらに細かい数値を見て診断ができるので血液の分析をしてもらっています。結果的に、歯科治療が成功する可能性がより高くなると考えています。――血液内科のほかに密に連携を取る科はありますか?山中:近くにある、ニューハート・ワタナベ国際病院という心臓血管外科のある医院と連携を取ることがあります(図4)。術前・術後の口腔内ケアの重要性をその医院の先生方にご理解いただいているので、現在、口腔内ケアなどについての連携をしています。 入院時や麻酔科の問診などがあった時に、患者さんに当院へ来ていただくことがあります。実際に重篤な歯周病にかかっていることがあるので、現状から今後のコントロールの仕方などのご提案もします。お互いの医療の専門の立場から、患者さんのことをさまざまな方向からしっかり診ています。――患者さんからしたら、これだけ近使って、10年以上前のX線写真もすぐモニターで見られるようになっています(図5、6)。動画でも記録して、いつ患者さんが来られてもそれを見られるような状態にしています。やはり、ビジュアルを見せて説明していくということは、これからのコンサルテーションや予防を推進する観点からも非常に大切です。それこそ血液の値がどんどん良くなっていくのも見て理解していくわけなので、ただ単に来院してもらうだけではありません。――最後に、今後どういった医院にしていきたいかを教えていただけますでしょうか?山中:より良い歯科治療をするために、これからも他科と連携していきたいと思います。また、日々勉強を重ねてアップデートし、さまざまな患者さんに来ていただける医院にしたいと考えています。13定期的な通院における利点
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