デンタルアドクロニクル 2023
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Dentsply Sirona × 林 洋介  巻頭特集2――各ファイルシステムの特徴を先生はどのように捉えていますか?林:プロテーパー・ユニバーサルなど、熱処理加工が始まる前のファイルはザクザク削れる、すなわち切削効率はよいのです。そのかわり、折れやすいというデメリットがあります。これを解消すべく、改良が進み、最新型のプロテーパー・アルティメットでは切削効率と破折抵抗のバランスがとれ、より使いやすくなりました。 私は、研究でいろいろなファイルを試してきたこともあり、少々マニアックな使い方をしています。俗にハイブリッドテクニックというような、歯の形態や病態に応じて、複数のシステムのファイルを使い分ける方法です。 たとえば、プロテーパー・アルティメットシステムには、再治療用のファ林 洋介 はやし・ようすけ東京都開業。2003年鶴見大学卒業。2007年東京医科歯科大学大学院修了(歯髄生物学分野)。以後、東京医科歯科大学歯学部附属病院にてむし歯外来医員を務め、その後、勤務した新田歯科医院を事業承継する。自費根管治療のみ診療する傍ら、医科歯科大にて非常勤講師を務め、講演活動も多数行う。イルがあり重宝していますが、治療する歯の状態によってはウェーブ・ワンゴールドのファイルを使うといった感じです。 さまざまなファイルを使うなかでも、品質が安定していて信頼しているプロテーパーブランドは、臨床でもその印象は変わらず、大学院生の頃から使い続けています。なかでも、最新のプロテーパー・アルティメットは、初回治療の場合の根管形成をシンプルな工程であっさり終わらせることができ、非常に使いやすいです。――プロテーパー・アルティメットはどのような人におすすめでしょうか?林:もともとプロテーパーブランドを使っていた先生方にはきっと使いやすいと思います。また、普段からウェーブ・ワンゴールドのようなレシプロケーティングファイルよりもロータリーファイルが好きな先生方にもよいかもしれません。――GPのかたにはどのファイルがおすすめでしょうか?林:プロテーパー・アルティメットは切削効率もよく、破折も少ないという点から、歯内療法専門医ではないGP――先生が感じる、プロテーパー・アルティメットのよいところはどのようなところでしょうか?林:スライダーがすごく使いやすい点です。ザクザク削れて、切削効率が非31使ったときはとても感動しました。熱処理加工をしていないファイルなので、熱処理をしたものより破折のリスクは高いのですが、切削効率がよく、こちらもいまだに根強いファンが多いと聞きます。GPには幅広く対応できるプロテーパー・アルティメットがオススメにもお勧めできると思います。 GPのかたは、まず、1つのファイルシステムで、そのシークエンスに則って治療するのがシンプルでいいと思っています。プロテーパー・アルティメットは、いちばん太いファイルのサイズが50.10Vと大きく、上顎前歯部の再治療などにも対応できる。ここまで使途が広いシステムは少なく、この点でもおすすめです。 プロテーパーブランドは、デンツプライシロナさんの看板商品で、発売から20年ほど世界中で愛され続いている、信頼できるものです。多くの歯科製品が淘汰されていくなか、基本的なコンセプトが変わらず、これだけ続いているというのはすごいことだと思います。どんどん使いやすく改良されており、迷ったらプロテーパーブランドで間違いないと思います。歯内療法専門医の考えるプロテーパー・アルティメットのポイント

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