デンタルアドクロニクル 2023
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Dentsply Sirona × 山﨑長郎 × 尾島賢治  巻頭特集2尾島賢治 おじま・けんじ東京都開業日本アライナー矯正歯科研究会会長山﨑:歯科では睡眠時無呼吸症の確定診断をすることはできませんが、スクリーニングする手段として気道に注目することをお勧めします。デンツプライシロナ社の歯科用X線CT装置「Axeos」には、上気道を可視化し、分析するために開発されたソフトウェアをオプションとして組み込むことができるとうかがっています。私は補綴を専門としていますので補綴分野でたとえますが、咬合再構成を行う際の治療の良し悪しを判断する基準は、バイトや歯並び、顔貌の様子です。 尾島先生は、睡眠時無呼吸症治療を行うにあたり矯正医の立場としてどのようにアプローチされていますか。また、デンツプライシロナ社の製品を導入されていますが、ソフトウェアの使用感はいかがですか。尾島:私は矯正医として、睡眠時無呼吸症に対して歯列不正や咬合高径の改善を目指してアプローチしています。口腔内容積を確保することで、舌の後退や軟口蓋の落ち込みによる気道閉塞を防ぐことができます。矯正歯科の診断では主にセファログラムを利用しますが、セファログラムによる気道分析ではあくまで参考程度の情報しか得ることができません。 そのようなことから、当院で導入しました「Axeos」に気道解析ソフトウェア「SICATエアー」を追加しました。睡眠時無呼吸症治療では、無呼吸低呼吸指数が判断材料として挙げられますが「SICATエアー」は気道を可視化して状態を確認することが可能なため、より直接的な情報を得ることができます。気道の狭窄部分は色分けされるため、患者さん説明にも重宝しています。導入以来、睡眠時無呼吸症を治療するうえで有効的に活用させていただいています。37睡眠時無呼吸症を“見える化”気道を可視化する「SICATエアー」「SICATエアー」の気道分析で歯科から睡眠時無呼吸症のスクリーニングが可能に

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