日本アライナー矯正歯科研究会の進化と発展2023 2020年のコーチマン氏のオンライン講演会、2022年7月の日本補綴歯科学会での講演などに続いて、2022年12月12日~14日の3日間、「DSD Residency Tokyo December 2022」がコンラッド東京(東京都港区)にて開催された。 今回、コーチマン氏をコーディネートしたDSDキーオピニオンリーダーである尾島賢治氏(東京都開業、JAAO主宰)は、2016年のIDS(ケルン)のインビザラインのブースで、コーチマン氏のDigital Smile Design (以下、DSD)とインビザラインの融合についての講演を見て以来の仲だという。そのときコーチマン氏は、インビザライン矯正時にクリンチェックで歯を排列する診断だけにとどまらず、クリンチェックとDSDの患者の顔貌データを連動させて、矯正治療計画を立てたケースを紹介。尾島氏は、コーチマン氏のブラジル1週間コースをすぐに受講したそうだ。患者に治療後クリスチャン・コーチマン氏略歴Christian Coachman, DDS, CDT 家族で170年以上歯科医療に携わってきたブラジルの6代目歯科医(ギネス世界記録認定)。1995年にブラジル・サンパウロ大学の歯科技工士課程を、2002年に同大学歯学部を卒業。2010年、彼はDigital 現在、補綴・修復・矯正治療などへのデジタルの応用で最先端と世界で評価されているクリスチャン・コーチマン氏。包括的な歯科診療ワークフローを提案し、患者にも、歯科医療従事者にとっても、より有意義な歯科医療を提供するコーチマン氏の「DSD デジタルスマイルデザイン」を紹介する。46Smile Designを設立し、画期的な方法論を導入した。ブラジル審美歯科学会の会長を務めるとともにヨーロッパおよび米国の審美歯科アカデミーの会員でもあり、世界三大審美歯科アカデミーのいずれにも籍を置く。世界的に知られているDigital Smile Design(DSD)をはじめとする数多くの歯科診療コンセプトの開発者であり、DSDレジデンシープログラムのディレクターとして、世界中の歯科専門家に継続的の人生のイメージを持たせ「治療したい!」と思わせるに至る、画像データとシミュレーションを駆使したコーチマン氏の患者説明・精緻な治療計画などに注目してほしいという。 Digital Smile Design(DSD)とは、コーチマン氏のコンセプトを基盤として、包括的な治療計画のスタート地点である顔貌やスマイルの評価の段階からソフトウェアを、患者教育のためのモチベーションツールとして利用し、また、フルマウスインプラント治療、アライナー矯正と審美補綴の連携、Minimum Interventionでの歯周外科など、多岐にわたる治療オプションを実践するための治療計画・実践ツールとなる、コンセプトであり、アプリ・ソフトであり、システムである。に教育コースを提供している。2017年、ペンシルベニア大学歯学部修復学科の非常勤教授に就任。2018年からは、ブラジルのバウネアーリオ・カンボリウにあるユニアヴァン大学のデジタルデンティストリー卒後プログラムのコーディネーターも務める。スペイン・マドリッドにDSDプランセンター、ブラジル・サンパウロにクリニックがある。 今回の「DSD Residency Tokyo December 2022」では、コーチマン氏のDSDのコンセプト、治療計画の立て方、臨床例を3日間かけて解説した。 DSDのコアは、1回目のアポで口腔内と顔貌の画像・光学印象データをとること、患者に治療費を払ってもらうまえの2回目のアポ時に、そのデータを活かした治療計画のプレゼンをすること。コアのコアは、補綴医・矯正医・歯周病医などの各専門医や歯科技工士が口腔内スキャナのデータを共有・編集して治療計画できることだという。そのための「クラウドデンティストリー」「同期化コミュニケーション」「コレクティブインテリジェンス」「コンプリートデジタルワークフロー」をキーとして挙げた。 コーチマン氏はこれらの具体的なDigital Smile Designとは?DSD Residency Tokyo December 2022ではDSD Digital Smile Design―DSD Residency Tokyo December 2022開催
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