デンタルアドクロニクル 2023
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2007年からアライナー矯正治療を行ってきて、初めの衝撃は口腔内スキャナー(ヨーロッパでは2011年~、日本では2014年~導入)だったが、今回はそれに匹敵するか、それ以上の衝撃だった。まさに「想像を超える」とはこのことだった。新素材とは、韓国Graphy 社が開発し世界的に発表した3Dプリンター用レジンTC85 のことである。すでに2018年頃から3Dプリンターを院内で活用し、模型をプリントして診断したり、熱可塑性レジンシートを圧接したクリアリテーナーを製作していた。通常は0.5mm~1.0mm 程度の厚みのアライナーは、形だけではなく、口腔内に装着するために弾力がなければ成り立たない。そんなアライナーを3Dプリンターから直接プリントできるようになるだけでも驚いたのだが、さらにこの素材には付いているという(シェイプメモリーアライ付いては、MBSにおいてNi-Ti ワイヤーを思うので、矯正治療において大変便利で欠かことは容易に想像できる。そのような形状記リントしたアライナーで可能なものなのか?るような質なのか?初めは半信半疑であった。のは、一番初めにサンプルを手に取った時でターで作られたものであるわけがない」と感ある。そのくらい、見た目には従来の熱可塑圧接したクリアアライナーとは変わりがなると、アメリカ矯正歯科学会での反響は大きけにこの新素材の世界的な認知度は広がり、げられるようになった。2022年はフランス、、メキシコ、ブラジル、インド、韓国、台湾、現地の先生方から新素材のアライナーにつが多くなるのを実感した。それだけ、世界で心が高い内容であるということである。昨年、分にとっても大きいことは、世界的に矯正歯あるアメリカコネチカット大学の名誉教授 先生がこの素材をすでに臨床応用していたこアライナー矯正治療の師匠であるWerner 用を開始された。Schupp先生はすでに5年をインオフィス(インハウス)システムに切2006年からインビザライン 矯正治療を開始し、現在は都内3箇所にアライナー矯正治療専門医院を開設。2014年に日本アライナー矯正歯科研究会を設立し現在まで会長を勤める。インビザライン社の元ファカルティ / クリニカルスピーカーであり、2021年9月までに3500症例のアライナー矯正治療の実績を持つ。 JCO(Journal of Orthodontics) に12本の論文を発表し、長期安定症例や複雑な症例などその治療成果は海外でも高く評価されて海外の各国矯正歯科での講演や2018年, 2021年にはアメリカ矯正歯科学会で講演を行った。現在国内ドクター向けのオンラインサロンで毎日情報を配信、また様々なセミナーや勉強会、基礎からしっかり学べるコースなどを開催している。 「形状記憶」機能が付いているという(シェイプメモリーアライナー)。形状記憶に付いては、MBSにおいてNi-Ti ワイヤーを使う先生も多いと思うので、矯正治療において大変便利で欠かせない機能であることは容易に想像できる。そのような形状記憶機能が、3Dプリントしたアライナーで可能なものなのか?口腔内で使用できるような質なのか?初めは半信半疑であった。今でも覚えているのは、一番初めにサンプルを手に取った時でさえ「3Dプリンターで作られたものであるわけがない」と感じてしまった程である。そのくらい、見た目には従来の熱可塑性レジンシートを圧接したクリアアライナーとは変わりがなかったのである。海外講演の話に戻ると、アメリカ矯正歯科学会での反響は大きく、それをきっかけにこの新素材の世界的な認知度は広がり、各学会でも取り上げられるようになった。2022年はフランス、イタリア、ドイツ、メキシコ、ブラジル、インド、韓国、台湾で講演を行ったが、現地の先生方から新素材のアライナーについて聞かれることが多くなるのを実感した。それだけ、世界でも注目度が高く、関心が高い内容であるということである。昨年、このトピックで自分にとっても大きいことは、世界的に矯正歯科の分野で権威のあるアメリカコネチカット大学の名誉教授Ravindra Nanda 先生がこの素材をすでに臨床応用していたことである。そしてアライナー矯正治療の師匠であるWerner Schupp先生も使用を開始された。Schupp先生はすでに5年前から全ての症例をインオフィス(インハウス)システムに切52PR

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