私はクリニック運営は「人」が何より大事であり、大切にするべき存在だと考えています。そして、トップ次第でスタッフのやり甲斐や、はたらく楽しさにも大きく影響してくると考えています。 クリニックでトップに立つドクターを育てることは必須です。ドクターを育てるというのは、技術はもちろんのこと同時に人間性を育てることです。 私の「育てる」とは、まずドクターを「人」としてみていくことから始まります。たとえば趣味や好きなこと、生い立ちや家族、好きなタイプなど……そういったことまで相手を知ろうとすることです。 技術面、精神面においてもマニュアルを元にではなく、つねに私や先輩ドクターが家庭教師のように、一人ひとりにあった教育をするようにしています。 私はもとからクリニックの多店舗展開に興味があったわけではありません。一人ひとりのドクターとそのように接してきたことで多くのドクターが集まり、クリニックのトップに立つべきドクターとして成長した彼らへの新たなる成長の場を模索した結果、いつのまにかクリニックが増えていきました。 当法人は、はたらいているドクター、スタッフの法人と考えてるので、さまざまな環境(商業施設やオフィスビルなど)で自分のやりやすいスタイルを決めてもらっています。長期にわたって患者様の経過を診ることができるということは、経験を積む最大の方法だと思います。そして、つねに良い治療をするために学ぶことは大事なことでなので、JAIDなどの学会への積極的な参加、外部講師を招聘したセミナー開催、院内勉強会といった教育制度を充実させています。学ぶことを楽しいと感じる心を育むことも、大事な経営のひとつと考えます。 現在は経営コンサルタントも行い、商業施設などの開業コンサルタントやドクターやスタッフの紹介も行っています。また、そうめん屋はやしという飲食店をフランチャイズ化しており、歯科と飲食店をコラボすることにより税メリットのコンサルタントなども経営に活かしています。 これから将来開業の道や勤務医を続けていく道などさまざまな選択肢を選んでいくことと思いますが、自分のこうした経験を生かして未来ある方々をサポートしていきたいと考えています。グローバルスタンダードを目指すJAID 2023当法人での勉強会の様子。学ぶことを楽しいと感じる心を育むことも、経営においては重要である。サマーソニックに出店したそうめん屋はやし。飲食店フランチャイズ経営により得られた経験を歯科医院での「人」の育成にも活かしている。61林 昭利JAID会員、東京都開業:医療法人社団因幡会JAID会員が教える“私の経営術”一人ひとりを「人」としてみて、教育を行う
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