デンタルアドクロニクル 2023
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初期の患者負担が少ないシステムのため、口腔内スキャナーがあれば一般開業医にも導入しやすい矯正装置である。そのため、診断なき矯正治療になったり、治療目標が達成できないなど、多くの諸問題が発生している。バイオメカニクスなどの知識がない診断での矯正治療は、患者を不幸にするだけでなく、矯正歯科治療の社会性を失墜させる危惧すらでてくるだろう。 3Dのデジタル矯正診断と治療計画を学ぶことで、従来の歯列矯正より、精密な治療計画を立案でき、歯周・気道やTMJなども考慮した患者に寄り添う矯正治療が可能となる。そのための、新しい歯科医師を育成・成長をさせ、患者・社会福祉貢献のために、日本デジタル矯正歯科学会は次世代のデジタル矯正歯科治療に向けた活動を行うためのプラットフォームとしての役割を果たすことを目的に創設され、貢献できる学会を目指している。2022年9月第1回日本デジタル矯正歯科学会学術大会・総会 去る2022年9月11日に三林栄吾大会長のもと「デジタル矯正治療の最前線」をテーマにコロナウィルスのためにオンラインでの講演にて開催された。今後の矯正界において避けては通れない3Dデジタル矯正のトピックスに対して国内外の第一線で活躍中の演者を招いて開催され、大盛況のうちに幕を閉じた(図2)。2023年9月第2回日本デジタル矯正歯科学会学術大会・総会 本会は、東京国際フォーラムホールD5にて開催予定である。深澤真一大会長のもと「これからのカスタムメイドデジタル矯正」をテーマに対面式とオンラインでのハイブリットでの開催予定である。 講演だけでなく、体験型の学術大会を目指しており、口腔内スキャナー・CBCT・3Dプリンター・VRなど、見て触って実感する従来とは違う学術大会を目指している。学会認定医取得コース開催では、矯正治療の根幹である診断学が3Dデジタル矯正にて如何に変化したのかなど、新しい矯正診断学の講義と学術大会の体験学習をさらに深化させた実習(IDB/インハウスアライナー矯正/バーチャルセットアップなど)を計画している。83講師が語る図2 2022年9月第1回日本デジタル矯正歯科学会学術大会・総会。臨床力アップ  に直結! 話題の研修・セミナー情報!

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