デンタルアドクロニクル 2024
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120――歯科衛生士と相談する機会が増えたと聞きましたが、歯科衛生士やスタッフで変化したことはありますか?松下(純):「この人は緑だからこうしたい」「この人は赤いから少しメインテナンス間隔を短くしたい」という相談がすごくしやすくなりました(前ページ図1)。また、今までは「プラークコントロールが悪いのでこうします」という相談だったのが、「この人はこうしたほうがいいと思う」というように彼女たちの意識も変わってきたのかなと。多分、目標設定がわかりやすくなったのだと思います。 血液検査のデータと一緒で、患者さんも自分のリスクを数値化して見ることができるので、みんなが一つの数字に対して目標を設定できるようになりました。松下(至):エックス線写真を撮るのは間接的だし、結果にしか過ぎません。プロービングデプスにしても見えてい――弊社では、細菌検査を普及させようとしていますが、どうしたら歯科医院で取り入れていただけるでしょうか?松下(至):院内に歯周病治療を行うためのシステムが構築されているかどうかが大切だと思います。うちの医院はシステムがあったから、オルコアをポンと入れるだけでうまくいっていますが、オルコアありきでシステムがないところにそれを持っていくと、どうやって使っていいかわからないということになります。松下(純):あとは、患者さんがそれについてきてくれるか、ということだと思います。こちらだけがんばってシステムを変えても、それを受け入れてくれる患者さんがいないと、医院としては回っていかないし、経営としても回っていかないと思います。そこを支えてくれるのがスタッフで、歯科医師1人だけがんばってもうまくいかないので、うまく機能するためには「こういう目標に行こう」とみんな同じ共通認識をもってシステムを作っていくことが重要だと思います。そういう意味で、オルコアはそこをつなげてくれるパーツの一つになっているかな、と思います。松下(至):それはすごく大きいよね。歯周病のリスクを短時間で可視化する口腔細菌検出装置 オルコアことはできていますが、細菌検査に関しては院内で数値化する方法がなかったので、オルコアが出てきて、よりアプローチがしやすくなり、歯科医師側と歯科衛生士側が共通の認識をもてる。「この人の数値はこうだから、こうしよう」という目標が明確になりました。ないから間接的、プロービングテストも間接的で、しかも悪くなっている結果なんですよね。だけど、オルコアはそうなる前の状態をちゃんと調べられます。だから、高血圧の人の血圧を測ることと一緒で、歯周病菌の感染症である歯周病をみるために歯周病菌をカウントするというのはごくごくあたりまえで、論理的で筋道が通っていると思います。 しかし、今までそれが簡単にはなされなかったじゃないですか。今までにも細菌検査はいろいろありましたが、オンタイムに約45分で結果が出ませんでした。ビジュアル検査でもなかったし、費用がかなり高かったと思います。それを全部解決してくれたのがオルコアです。今まで「こうだといいな」「ああだといいな」と思ったことを全部オルコアが解決してくれる。さらに言い出すとキリがないんですが……。少なくともわれわれが経験してきたなかで、現在細菌検査においてもっとも理想に近いのがオルコアだと思います。臨床にも取り入れやすいですしね。細菌検査の普及には、システムや医療者の理解が不可欠――患者さんの意識を高めていくのにもオルコアが役に立つと?松下(純):はい。でも、発信する側が本当に理解していて、それを信じて推し進めようという情熱がないと持続できません。そこで初めて患者さんの心を動かすことで、モチベーションにつながると思います。しかし、この「動かしていく」というのは、われわれも患者さんもすごくパワーが要ることだと思います。 そういう意味で、オルコアはすごくいいツールだと思います。そのツールを活かし切るかどうかは使う側次第です。ですので、使う側が本当に良さを理解して信じることが重要です。まずは、患者さんの価値観を歯科医院側が少しずつ変えていかないといけないと思います。ますます注目を集める歯周病に、どう対応すべきか――最近、メディアでも歯周病が注目松下至宏愛知県開業松下歯科医院松下純也松下歯科医院勤務

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