hi TaakaashDr.Akir当院の年間来院患者総数に対して、メインテナンス目的で来院した患者の割合。 新型コロナウイルス蔓延により来院を控えた患者さんは多いことでしょう。当院も多くの方が予約をキャンセルしたり延期されました。幸い最近では、中断していた患者さんは少しずつ戻ってきております。そして現在は、メインテナンス目的で通う方も増えてきています。 筆者が開業する地域は高齢者も多く、そのため中断の理由は、コロナ以外にもさまざまあります。たとえば、家族の手をかりなければ来院できなくなったお年寄りがいます。家族に申し訳ないという思いから外出を控えるようになり、歯科受診も長期の中断となってしまいました。また、入院のため来院が途絶えた方なども少なくありません。 長期中断すると、ほぼほぼ口腔内状況は悪化します。「もしも定期的に診ていたら、ここまでにはならなかったのではないか」と、くやまずにはいられないときもありますが、それでも再び診ることができれば、患者さんのQOLの維持・向上に何かしらのお手伝いができます。 長い人生、歯科医院に通えなくなる時期はだれしもあること。だからこそ、高橋 啓(たかはし・あきら)医療法人たかはし歯科(愛媛県)理事長。日本ヘルスケア歯科学会代表。1994年北海道医療大学卒業、1999年広島大学大学院歯学研究科修了。日本口腔インプラント学会専門医。来院が中断しても再開してもらえるような働きかけを、来院中からしておくことが重要なのではないでしょうか。当院では、日ごろから口腔の健康・維持管理の大切さや、メインテナンス通院の重要性をお伝えし、また患者さんとの関係づくりを重視しています。それが結果として通院中断後の再開や、メインテナンス患者さんの増加にもつながっていると考えます。 当院では、各治療の進め方や治療の必要性、予防方法など、さまざまな情報を患者さんに提供し、わかりやすく説明するよう努めています。なかでも継続した通院の重要性については、治療開始前、治療中から随時伝えています。なぜなら、治療が終われば終了という認識の患者さんも多く、そういった方ではいざメインテナンスに移行するとなっても、なかなか応じてもらえないからです。また、患者さんの治療の必要度によって次のこともお伝えしています。●口腔内が良好な患者さん⇒ とくに若くて健康な口腔をお持ちの方では、説明を受けても実感がともなわない方が多いです。そういった方に巻頭特集1-6ポストコロナ時代に向けて、これからの口腔健康管理16歯科受診の大切さを伝えるための工夫歯科とのつながりが途絶えないために――「情報発信」がカギ
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