す。 これにより、データの保管と提携先とのデータの共有が非常に快適になりました。とくに、カルテや石膏模型など、これまで物理的に保管していたものがデータ化されて保管できるのは非常に大きいです。DS Coreは使用可能なクラウドストレージに応じて月額料金がかかるのですが(有償アカウントは“ライト”〔1TB〕:2,599円/月、“スタンダード”〔6TB〕:12,999 円/月、“アドバンスド”〔15TB〕:29,999円/月の3種類。ラボへのオーダーのみで使用する場合などの無料アカウントは“アクセス”〔症例のアップロードデータは7日間、オーダーデータは30日間の、それぞれテンポラリーストレージ〕の1種類。なお、提携先は無償アカウントでデータを参照可能)、これまでのようにカルテや石膏模型を保管するときにかかっていたテナントの賃貸料という空間コストを考えると、そのスペースを別の用途に使えるというのは歯科医院にとって大きなメリットだと考えています。 さらに、セキュリティ面でも魅力的です。DS CoreはGoogle クラウドプラットフォーム上に構築されており、Google社の実績に裏打ちされたセキュリティ能力は非常に安心感があります。また、パソコンやタブレットなど情報端末ごとのライセンスではなく、どんな情報端末からでも同一のサブスクリプションでDS Coreにアクセスできるため、USBメモリなどの記録媒体にデータを移し替えて物理的に持ち運んだりする必要がなくなります。これにより、USBメモリの紛失や情報漏洩などのリスクを避けることができます。クラウドサービスを活用したデータの共有は時代の流れといえるでしょう。 さらに、DS Coreは患者さんとの情報共有という面でもコミュニケーションキャンバスという使い勝手の良い機能を有しています。任意のデータを簡単に張り付けることができ、それを用いてコンサルテーションを行うことができます。先ほどお話ししたように同一のサブスクリプションでさまざまな情報端末からアクセスできるので、たとえばチェアの前に設置してあるモニターに表示させて患者さんに説明することも可能になります。 さらに冒頭で生成AIを例に出したように、今後の展望として期待しているのは、個々の情報がクラウド上で自動的に統合し、それらの統合された情報に対してAIが作用して検査診断が行われるプラットフォーム(場所)になることです。それがDS Coreではないかと考えています。25Dentsply Sirona × 荒井昌海& 安藤壮吾 巻頭特集2DS Core歯科用クラウドソリューションデンツプライシロナの口腔内スキャナーやレントゲン装置、3Dプリンターなどをシームレスに連携。パートナー・専門医・歯科技工所とのコラボレーションを可能にする統合メディアライブラリーとして、より効率的なワークフローを実現。
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