補綴・修復治療と前歯部に限定されたアライナー矯正治療のコラボレーションによるフルマウスリコントラクションについて講演する長尾龍典氏(京都府開業)。デンタルコンペンセーションを考慮した歯の移動が計画しやすいとする最新のSureSmileアライナー(デンツプライシロナ社)の特性について解説する林一夫氏(東京都開業)。アライナー矯正治療と補綴治療のコラボレーション症例3例を示しながら講演する町田真吾氏(東京都開業)。骨格性の問題をともなう症例に対し、中顔面の拡大と後方歯列の圧下による3方向への排列とそれを実現する治療計画について語るRamón Mompell氏(スペイン開業)。自身の開発したBenefitシステムによって、上顎の部分的側方拡大や遠心移動が可能になると講演するBenedict Wilmes氏(ドイツ開業)。MSEを併用した成人患者における上顎拡大術の手技について、実際の映像を交えながら解説する趙建鑫氏(中国)。アライナー矯正治療が患者フレンドリーであることから、補綴治療や審美治療とのインターディシプリナリー治療に生かせると話す山﨑長郎氏(東京都開業)。自らが理事長を務めるデジタル矯正歯科学会の活動と、SureSmileを用いたアライナー矯正治療の実践、デジタル矯正診断について解説する三林栄吾氏(愛知県開業)。アライナー矯正治療を行ったところ歯周組織の改善を認めた症例について解説する猪狩寛晶氏(福島県開業)。37歯科界大注目スタディグループ2024 巻頭特集3世界がようやくマスクや渡航制限から解放され、自由な往来が再開したとはいえ、やはり最新の情報は自ら求めていかないと得られないものである。英語圏ではない日本において、ますます変化の速まるデジタルデンティストリーのイノベーションに触れるには、特にそうした姿勢が重要となる。とはいえ歯科医師には毎日の臨床があり、最新で広範な情報をつかむことは簡単ではない。そんな状況で、アライナー矯正歯科においては、日本アライナー矯正歯科研究会(以下JAAO)が福音となるだろう。かねてよりその国際性を誇っていた本研究会であるが、記念すべき第10回を数えた今回も国内外から演者を19名招聘し、アウトソーシングアライナー、インハウスアライナー、ダイレクトプリンティングアライナーとこれらを用いた矯正歯科治療やコンビネーション治療、インターディシプリナリーについて学び、研鑽する場となった。開会宣言後、主宰の尾島賢治氏が登壇し、研究会のこれまでの10年の歩みを振り返った。その感慨もそこそこに、同氏の講演『インビザライン 抜歯症例のリカ他に類を見ないアライナー矯正治療のバリエーション
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