アライナー矯正治療の予測実現性を高める、歯との適合性とデザインの自由度が高いインハウスアライナーの特性について語るKi-Beom Kim氏(米国・セントルイス大学)。食事中もアライナーを装着し続けることで治療効果を高める方法や、舌側アタッチメントのメリットについて語ったPeter Brawn氏(カナダ開業)。アウトソーシングアライナー、インハウスアライナー、ダイレクトボンディングアライナーとアライナー矯正治療の進化とともに歩んできた尾島氏による総括が行われた。外傷や中切歯萌出不全をともなう複雑な矯正歯科治療における、さまざまな矯正装置とインハウスアライナーを併用したハイブリッド治療について語るBjorn Ludwig氏(ドイツ開業)。熱可塑性アライナーからダイレクトプリンティングアライナーに至るまでのバイオメカニクス研究について解説したRavindra Nanda氏(米国・コネチカット大学)。39歯科界大注目スタディグループ2024 巻頭特集3矯正歯科治療の注意点を付け加えた。さらに長尾龍典氏(京都府開業)は、矯正歯科治療と補綴・修復治療のコラボレーションはフルマウスリコントラクションであり、患者のモチベーションを考えてアライナーを選択しているとしてそのメリットを語った。最後に『アライナー矯正治療とインターディシプリナリー』と題して、山﨑長郎氏(東京都開業)が前半、尾島氏が後半の講演を行った。山﨑氏は歯周、矯正歯科、インプラント、咬合を総合したインターディシプリナリー治療とそれにともなう治療結果の向上について述べた。また協働のためには、互いの治療について最低限の知識と共通言語をもつべきとした。また尾島氏は、アライナー矯正治療とベニアを用いた補綴治療、あるいはこれにインプラント治療を加えた専門科協働の可能性について触れ、今後も本研究会はアライナー矯正治療・補綴治療・歯周治療が協働するインターディシプリナリー治療のトピックに注力していくとした。次回の日本アライナー矯正歯科研究会は2024年9月7日(土)、8日(日)に開催予定。さらなる展開と展望により期待と注目が集まることだろう。日本アライナー矯正歯科研究会についてはホームページをチェック!さらなる展開を目指しアライナー矯正歯科を展望する日本国内からは、特にコンビネーション治療、インターディシプリナリー治療についての講演がなされた。町田真吾氏(東京都開業)は3症例を供覧しながら補綴治療におけるアライナー矯正治療の戦略について述べた。また猪狩寛晶氏(福島県開業)は歯周組織の問題を有する患者へのインハウスアライナー矯正治療について症例供覧し、歯周治療後の患者に対する
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