43歯科界大注目スタディグループ2024 巻頭特集3Aligner global programme 2023にてRamon Mompell先生らと行った講演とワークショップMadrid, SPAIN - 15-16 SeptemberTPAO(アライナー矯正治療計画学術大会)"Inhouse production of aligners in complex cases"Hamburg, GERMANY - 25 Septemberそして日本へ。JAAO(日本アライナー矯正歯科研究会) 第10回大会Tokyo, JAPAN - 2-3 December世界では、3Dプリンタで直接プリントするアライナーをよく「第5世代アライナー」と呼びます(アライナーの各世代については昨年の本誌参照)。この第5世代アライナーを用いたアライナー矯正治療は、以下の理由から世界中で関心が高まっています。①企業に依存しないデジタルプランニング②アライナーの形態を任意に設定できる③アタッチメントを少なくすることができる④ 模型をプリントしないため経済的で環境に優しい⑤形状記憶機能が歯の移動に効果的である私が2023年にAAO(アメリカ矯正歯科学会)、EAS(ヨーロッパアライナー矯正歯科学会)、SIDO(イタリア矯正歯科学会)といった海外の学会から受けた講演依頼は、すべてデジタルインハウスアライナーに関するトピックでした。なかでも前述の①と⑤に関連した、歯科医師によるCAD/CAMを用いた治療計画や歯の移動シミュレーション作成、シェイプメモリーアライナーを用いた臨床結果についての講演を、それぞれの学会で行ってきました。デジタルインハウスアライナーは、従来に比べて治療計画の自由度が高く設計が柔軟で、臨床結果もより効果的と考えています。世界でも、企業依頼型からインハウスアライナーシステムへ移行する動きがあると、こうした海外での講演を通して知ることができました。またインドや南米、ポーランドのように経済状況が思わしくない地域では、企業依頼型のシステム導入がかなり難しく患者への負担も大きいため、インハウスアライナーへの関心が高い傾向にありました。治療で使うデジタル機器は、さまざまな企業の努力により今なお進化を続けています。同様に、アライナー矯正治療の未来もまだまだ進化することが期待されます。その変化と一緒に、われわれの考えも柔軟に変え、今後に向けて知識を学び、取り入れていくことが必要だと考えています。 (了)世界の潮流 「第5世代アライナー」これからの日本のアライナー矯正歯科日本では、アライナー矯正治療について海外から数年遅れたトピックを取り入れることが多く、欧米のトレンドを見ると数年後の日本の未来が予測できます。そのため私は、今後日本も現在の世界と同じように、デジタルインハウスアライナーのトピックが広まってくるだろうと予想しています。
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