デンタルアドクロニクル 2024
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図1 Dental. DXは「誰でも手軽に扱えるシンプルさ」を重視している。図2 患者ごとに内容の異なる名前入りの動画を瞬時に生成することができる。59 筆者は、都内のランドマークになる商業ビルを中心に4つの医院を運営している。皆さんと同様に、運営していく中で収支を考えてコントロールすることが、安定した医院経営にとって必要不可欠であると考えている。売上増のためには①初診数の増加、②再初診数の増加、③自費治療の増加が挙げられる。 今回は、②再初診数(リコール数)の増加について、どなたでもできることで、当法人において増収増益した仕組みについて紹介させていただく。 まず、リコールも含めて再初診数の増加に結びつけるためには、患者を医院のより強いファンにすることが重要である。これはマーケティング用語で「CRM(Customer relationship management)」といい「顧客との関係性を維持・管理することで利益の最大化を図る」という考え方を指す。 歯科ではリコールハガキなどが「CRM」にあたり、昔から変わらず実施している医院が多いかと思うが、この「CRM」をより簡易に、そしてより効果的にしたツールが「Dental. DX(https://dental-dx.jp/)」である。 「Dental. DX」ではパーソナライズド動画といわれる技術を用いて、本人の名前や治療内容が含まれる動画を患者ごとにその場で自動的に作成して送信する(図2)。これは日本国内でも大手企業では広告方法として取り入れ始めており、最先端の広告を行う米国では、すでに銀行・保険・旅行・住宅ローン・教育などさまざまな業界で多用されている。 当法人では2年前にこのシステムを入れた結果、リコール率は2倍となり、高いリコール率を継続している。 現代は、動画での情報摂取が一般化されている時代であり、患者は情報を上手に公開している歯科医院に流れていく。そもそもネット予約ができない歯科医院や飲食店は選択肢から外される時代である。スマートフォンが普及しSNSが“当たり前”になったのは、わずかこの15年以内の出来事で、たった数年で“当たり前化”が進む。「まだ早い」が「もう遅い」に切り替わるスパンは早くなっている中、時代に合わせて既存の物をアップデートしていくこと、これが“私の経営術”の一つである。Quint Dental AD Chronicle 2024石井宏明JAID常務理事東京都開業:医療法人社団ITSJAID会員が教える“私の経営術”「 Dental.DX 」を活用したリコール率倍増法

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