デンタルアドクロニクル 2024
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図2 工場内で製造工程の説明を受けるMID-G役員。図3 NSK museum。 2023年4月の快晴のとある日、筆者は、栃木県鹿沼市の広大な敷地にある株式会社ナカニシ(以下、ナカニシ)の「新本社R&Dセンター」(図1)を荒井昌海最高顧問、MID-G役員らとともに見学ツアーとして訪れました。ナカニシは、創業1930年の歯科用ハンドピースで世界トップシェアを誇る日本企業で、ベアリング商品を主力として歯科・医科のほか、自動車産業などで世界中に活躍の場を広げており、現在年商500億円に迫る勢いとなっています。 今回の見学ツアーは、まず、本社屋内のタービン内部をイメージした螺旋状のホール(日本空間デザイン賞金賞)に案内され、ナカニシ3代目社長・中西英一氏のプレゼンテーションから始まりました。企業理念、創業史、現段階での国内外の事業内容、未来予想図などに関してうかがい、率直に凄まじい企業と感じました。その後、研究開発棟や複数の工場棟および資料館の見学(図2、3)、中西社長との会食、開発チームとのディスカッションという流れでツアーは進みました。 研究開発棟・工場棟では、働く従業員や施設内の配置の随所で5S(整理、整頓、清掃、清潔、躾)が徹底図1 株式会社ナカニシの「新本社R&Dセンター」。66されていて、そこに居るだけで企業としてのクオリティの高さを感じることができました。 筆者は歯科医院を含めた企業に対して、次の2つの観点で見ています。①サービスに対してどう考えているか?②従業員に対してどう考えているか? これらの観点で見ている理由は、良いサービスが提供できなければ企業の永続性はなく、そのサービスは従業員が創って提供していくものであるからです。また、プレゼンテーションや会食のなかで中西社長がおっしゃった、「品質は工程から作られる」、「従業員に厳しくも優しい企業」という言葉から、われわれが日々提供している歯科医療サービスにも通ずる多大なるヒントを得ることができました。 ナカニシは見学希望者に対して大きく門戸を開いてくれています。「百聞は一見にしかず」。行かなくてはわからない奥深さとスケールの大きさ、そしてナカニシイズムを読者の皆様にも感じていただきたいと考えます。MID-G山井裕生 Hiromi Yamai 医療法人社団 一六三会 高津デンタルクリニック163 理事長MID-G×工場見学

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