デンタルアドクロニクル 2024
69/180

図2 日常を離れての有意義な時間。 2023年3月、MID-Gの仲間とともにドイツで行われたIDS2023に参加してきました(図1、2)。筆者自身、初めてのIDSでしたが、非常に多くの学びを得ることができました。 もっとも印象に残ったことは、韓国企業の勢いです。多数のブースで広大なスペースを韓国企業が占めていました(図3)。もちろん、欧米のデンツプライシロナ社やアライン・テクノロジー社などのブースは圧巻でしたが、総合的に考えると、これからのデジタルデンティストリーの時代は韓国がリードしていくのだろうと予感するほどでした。衝撃を受けた筆者は、その後5月に韓国で行われた「SIDEX」という韓国のデンタルショーにも参加しました。 また、今回のIDSでは中国企業にも勢いが感じられ、多くのブースに参加者が集結していました。口腔内スキャナ(IOS)やフェイススキャナなどは非常に低価格なものもあり、低価格であるのにスキャンスピード、性能ともにまったく問題のないように感じました。実際に自分のクリニックへ中国企業のIOSとフェイススキャンを導入する予定です。図1 会場前での集合写真。 逆に、日本勢はとても寂しい印象を受けました。ジーシー社やナカニシ社などのグローバルな企業は立派なブースで参加者も集まっていましたが、全体としては勢いが感じられませんでした。 このようにIDSの会場に立ってみると、それぞれの企業、それぞれの国の勢いを肌で実感することができました。自分が次の分院展開を考えていた時期であったため、この空気感というのは、CTやスキャナなどをどこのメーカーで揃えていくかの判断にも役立ちました。限られた時間のなかですべてのブースをじっくり回ることは難しいですが、現地を訪れることで各企業の勢いを実感できることがIDS参加のいちばんの収穫だと考えています。 筆者は今後も継続してIDSに参加しようと考えています。参加する前は、診療時間を切ってドイツまで行くことにかなりの抵抗がありましたが、参加してみると長い目で見てその分のリターンはあると実感しました。これからのデジタルデンティストリーの時代がどのように発展していくのか、わくわくしながら日々の診療に戻ることができると思います。図3 盛況だった韓国のブース。Quint Dental AD Chronicle 202467呉本勝隆 Katsutaka Kuremoto 医療法人 時和会 クレモト歯科なんば診療所 理事長2023 IDS報告 ~「CloudとAI」の新しいIDS~

元のページ  ../index.html#69

このブックを見る