図1 論文執筆コースのようす。 2023年、MID-Gに新しいコースが誕生しました。それは「論文執筆コース」です。長崎大学教授陣を中心に論文の種類などに関する知識や執筆の仕方を教えていただき、実際に自分たちで論文を執筆してアクセプトされることを目指すコースです(図1)。 筆者は、過去に社会人大学生として大学院に進学していましたが、仕事との両立が難しく卒業を断念していた経緯があります。その後、歯科医院を開業しましたが、日々の臨床を論文で形にしたいという気持ちもありました。多くの学会では専門医の取得条件に論文執筆があります。臨床家としてのキャリアを考えると、論文を書ける能力を養いたいと思っていました。そんな折、この論文執筆コースの存在を知りました。実は、本コースは第1期開催前にMID-G役員を中心に第0期が運営されていたのですが、日本口腔インプラント学会などの各方面で著名な教授や准教授に直接指導していただけると受講生から聞き、今回第1期生としての受講を決めました。 実際に受講してみると、講師のみならず参加している先生方にも著名な先生が多い状況でした。そのためか開講して現在10ヵ月程度ですが、非常に活気のあるコースとなっています。講義では、知識を学ぶ座学だけではありません。たとえば、第0期生が執筆し、完成させるまでの実際の論文を教材に、その修正点について受講生でディスカッションを行ったり、また、学会などで引用回数が多い論文を精読することで、本来の正しい解釈の仕方を学んだりします。後者では、それまで自分が解釈していた内容とは違う解釈をしなければならない論文もあって、とても勉強になりました。 MID-Gの基本理念は、歯科医院運営には「学術」「教育」「経営」の3本柱が必要、というものです。本コースの受講は、上質な医療を提供するためには「学術」の側面も強化していく必要のあることをあらためて理解するきっかけになりました。筆者は現在、日常臨床で行っているデジタル診療を論文の形にしたいと考えています。第0期生には英語論文を執筆してアクセプトされている先生もいます。本コースは2年間という長期にわたる受講となりますが、しっかりと学んで筆者もアクセプトされる論文を書き上げたいと思います。Quint Dental AD Chronicle 202469白崎 俊 Shun Shirasaki 医療法人 なないろ歯科・こども矯正歯科クリニック 理事長論文執筆コーススタート
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