デンタルアドクロニクル 2024
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95講師が語るDC21の講演情報や入会方法はhttps://www.dc21.jp下記HPへ療界に貢献することにある。つまり、臨床医が多いスタディクラブだからこそ、強い結束力で、会員の豊富な治療結果をまとめることを通じ、EBM:“Evidence-Based Medicine”をつくっていこうと考えている。まさに経験豊富な臨床医が多数参加するスタディクラブだからこそ臨床データを収集でき、国民に良質な歯科インプラント治療を還元できることになる。まさに“Science-Based Medicine”となった昨年末の年次大会 さる2023年11月18日(土)、19日(日)の両日、東京・品川フロントビルにおいて開催された2023年度総会・年次学術大会はメインテーマに「インプラント外科学-Bone Biologyを考える-」を掲げて開催された。 初日は会員Dr.発表、歯科技工士セッションが行われ、それぞれ4名が登壇した。2日目は、まずメインテーマに則った形で特別講演が2題行われた。「ミクロとマクロのBone Biology」と題して登壇した松尾雅斗神歯大特任教授(当会学術アドバイザー)は、自らの研究を臨床解剖学と称して、グラフ、データのない日常のインプラント治療の内部を「見える化」してカダバーケースを中心にビジュアルに解説した。もう1題は「骨のバイオロジー:恒常性維持機構とその破綻」と題して高見正道昭和大教授が登壇。歯科医師ではないが、昭和大で歯科に携わって25年、破骨細胞、骨芽細胞、骨細胞といった難しいRANKLの話を何とか臨床家にわかりやすく説明しようとする姿勢が印象的であった。 ランチョンセミナーを挟んで教育講演「インプラント関連外科の併発症(偶発症)」では、白鳥清人先生(静岡県開業)が登壇し、豊富な臨床例をもとに術中、術直後、術後の神経損傷、上顎洞挙上術、出血・腫脹・内出血・疼痛、インプラント周囲炎で起こりうる事象に対する処置を解説した。 大会最後のシンポジウム「上顎臼歯部領域におけるインプラント治療戦略-DC21クリニカルトリートメントガイド作成に向けて-」では、中村先生を座長に北所弘行先生(北海道開業)、下田徹先生(兵庫県開業)、下尾嘉昭先生(東京都開業)、三好先生,高山賢一先生(矢田医療センター)の5名が登壇。解剖学的にも制約の多い上顎臼歯部へのインプラント治療に対して会独自ガイドライン作成に向けた活発なディスカッションが繰り広げられた。 確実な検査・診断を行うこと、精度の高いガイドサージェリーの導入など、会の基本的な考えを再確認でき、まさに“Science-Based Medicine”の大会となった。インプラント治療の完成形を求めて――DC21の今後の展望 DC21では、会員にインプラント治療の知識および技術をベーシックからアドバンス、そしてトピックスまで習得してもらえるように考えている。そのため、インプラント治療の各分野の専門家である理事・評議員28名が会員と「よりよいインプラント治療をめざして」症例検討や情報共有を進めていく。本年も支部会や総会・学術大会を予定しているが、ぜひ多くの先生に会員になっていただき、学術会に参加いただくことでインプラント臨床を上達させ、患者によりよい治療を提供してほしいと願っている。 インプラント治療が成熟し、デジタル化が進むなか、顧問の中村先生が提唱する「インプラント治療の完成形」を求めて、本会の今後の活動に注目してほしい。2024年活動予定西日本支部 学術会日 時:2024年8月4日(日)会 場:愛媛県松山市大会長:鎌倉聡総会・年次学術大会日 時: 2024年11月16日(土)、17日(日)会 場:品川駅近辺予定大会長:木津康博臨床力アップ  に直結! 話題の研修・セミナー情報!臨床力アップ  に直結!臨床力アップ  に直結!臨床力アップ  に直結!

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